蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

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9月1回目オークション出品(9月23日落札)から(2018.9.21)

現在、今期(秋~冬)初となるオークション出品中です。恒例なので年末頃までは出品毎に
10点程度の標本を紹介してみたいと思います。
ここで個々を「宣伝」するつもりは全くありませんが、オークションに興味の無い方にとっても
標本写真や展足例として十分に役立つだろうという判断から行っているものです。

屋久島産ヤクチャイロヒゲビロウド・ペア(特大)

今夏の屋久島、ネキ2種のシーズンも終わり、全ての採集仲間が島を去る中で晩夏まで居残り、
執拗な探索で初めて狙った一昨年を上回る成果を得た珍種ヤクチャイロヒゲビロウドカミキリ。
その中から惜しみ無く大型ペアを驚きの安価にて出品しています。同時に二回りほど小さい
ペアも超特価にて出品していますが、もちろん二品目共に応札が入っています。
うーむ、来年もまた採れるのだろうか・・・

伊豆大島産ハンノキ3♂2♀

伊豆大島産は通常の赤色部の微毛が淡くなったり、白っぽくなるほか、エリトラ全体がうっすらと
ビロード状の微毛に覆われる傾向が強いです。特に左♀のように見事な深いビロード状のエリトラを
呈するものは価値の高いものです。ホストから羽脱した美品です。

奄美大島産アマミホソコバネ3♂

アマミホソコバネ(モリヤイ)に美展足を施せば特段に写真映えするのが分かりますね。
(モリヤイ)の♂のコレクションを揃えるのに適したセットを安価で組むのが僕のポリシー。
本品の他にもやや小振りながら4♂セットも出品しています。

屋久島産キュウシュウハネナシサビ♀

今年7月の屋久島において平地原生林で得ましたが、この時期にしては驚くほど新鮮で遅く
羽脱したものと思います。そこそこ大きくオススメの一品。7月に訪れる採集者はネキ採集に傾注し、
クソ暑い平地林で汗だくになりながらビーティングする人はほぼ見かけません。

熊本産ダイコクコガネ・ペア(♂27.5ミリ)

熊本県では2013年から採集禁止となり、今では貴重な標本となっています。
さすがに当方も在庫崩しが厳しくなり、大量セット(長角10♂を含む15♂5♀)は
10月8日大手町コレクションフェアで1セットを出せるのみとなりました。

熊本産キュウシュウオニクワガタ・ペア

九州脊梁山地のブナ帯でのナイターで飛来したものです。過去数年は殆ど採れなくなっていましたが、
今夏は多少の飛来がありちょっと安堵しました。

奄美大島産チャイロヒラタカメノコハムシ

奄美大島特産の独特の形状の少ないハムシです。奄美に在住しているからと言って、より多くが
採れるわけではありません。滞在期間が限られていた昨年の方が多いくらいでした。

屋久島産ヤクシマオオミズアオ♂+おまけ

屋久島産は♂の翅が黄茶色となる独特の亜種です。今夏は珍しく新鮮な♂がナイターに飛来しました。
おまけは屋久島では結構目にするサツマニシキ♀です。ちなみに後者は奄美では全く見ません。

沖永良部島産コノハチョウ♂A’

今年6月、初めて行った沖永良部島での採集品です。来年も同島に行くので少数であればご注文も
お受けしようと思っています(採集に喝を入れるためにも。あ、大きなルリタテハも可能です^^)。
なお採集した蝶を出品する際に、翅の表面を見せるためピンセットや針といった金属で押さえ付ける
人が殆どですが、鱗粉がより剥げ易いので安易に行うのは避けるべきでしょう。

ペルー産蝶セット

過去数年間で売り切ってしまうはずだった外国産昆虫ですが、未だ多少残っているため引き続き
出品します。ただ既に在庫が無くなる種類もかなりに上り、出品全体の規模も縮小しつつあるため
必要な方はお見逃しの無いようにお願いします。

以上、現在出品中のものから10点の紹介でした。興味のある方はオークションサイトを覗いてみて
下さいね。来年2月頃まではやっていますので^^

9月18日(火)夜、今期オークションの初出品を行います(2018.9.16)

いやいや、忙しさに首が回らなくなってきました。いえね、残念ながら採集に忙しいという事では
ありません。これからは僕にとって唯一の仕事の時節。オークションや昆虫フェアのための準備に
追われることになります。
もちろん採集も行うので、採集と仕事を両立させなければならないシーズンに入って行くわけです。

今日の主題の一つは告知です。オークション等にご興味の無い方には申し訳ない次第です。
今期初のオークション出品を今月18日(火)の夜に行います。詳しくは出品画面に表示しますが、
一連の基本的な流れは例年の様に以下の通りとなります。週始めに出品、週末日曜日の夜に落札終了、
その翌日からカウントして二日以内に取引ナビを頂き、金曜日までにご入金を頂くという流れです。
当方は基本的に在宅なので、上記をスムーズに行うため御連絡を頂けば直ちに返信します。
なお郵送費の値上げが2年前に行われましたが、据え置きは今期も引き続き行わせて頂きます。

でも毎年、オークション一回目の出品と東京大手町インセクトフェア(今年は10月11日開催)
(※後日記述:正しくは10月8日(体育の日)開催です。失礼しました)の準備が重なりいつも
この時期はてんてこ舞いの日々になりますねえ。まあ事業はそういうものだし、半年以内の労働で済み、
しかも在宅で出来るので泣き言を垂れている場合ではないですね^^
(利潤も極小だけど@@)

告知だけではナンなので、近所で採れる蝶の普通種の写真でも挙げておきましょう。
その普通種とは、外来種のクロマダラソテツシジミ。
この蝶、すっかり我が国に居ついちゃいましたね。珍種ならもっと注目されるのでしょうが、
かなりの普通種というデフレ体質のため近頃では誰も注目しなくなった感があります。

幼虫の集団に食われたソテツの若葉。堅い成葉はダメで、柔らかい新芽のみが餌となります。

多くの終齢幼虫はソテツの「ボール」の部分のヒダ内で集団で蛹化します。
「ボール」って? これです、雌花。この直上に新芽が出るわけ。

これを知っていると、蛹の採集が非常に楽です。何故か寄生率は甚だ低いですね。
飼育の労をとる必要が無いので、とても効率的にサンプルを集めることが出来ます。
殆どの蛹が羽化してくるので、採集は展翅出来る数に抑えるようにしましょう^^


でもね、普通種ではあるものの客観的には「美蝶」ではあると思うんですね。ブルー系のシジミの中でも
ケッコウなイケメンと思いますよ、僕は。変異は特に無いものの(あるかも?)季節型はあるし、
正直低温期型の♀は見事です。♂も決して悪くありません。
冬になる直前に「奄美大島産」の低温期型の標本もしっかり作っておきましょう^^

僕のコレクションとして標本箱に入れる判断の一つは珍種なのか、普通種なのかという珍品度の
基準だけではなく、「集めて楽しい」というコンセプトがあるので直感的に何らかの「美しさ」を
感じられるものは何でもアイテムとなります。あくまでも僕の場合ですが。

クロマダラソテツシジミだけではなく、イシガケチョウやテングチョウ、アカタテハなどの超普通種達も
こちらに居る間にしっかり展翅してコレクションを充実させていきたいと思っています。

ヤクシマオオクチキゴミムシ(2018.9.11)

奄美大島はここ一週間以上、毎日雨が降っています。フィールドに出られなくもないのですが、
昼はなお暑い事や夏枯れを考えると未だ出たくはないなあ・・・という感覚が勝ります。

今月末からのオークションや来月の大手町コレクションフェアの準備にも掛からないとならないし、
というわけで、7月にフラッシュバックして屋久島で初めて採ったヤクシマオオクチキゴミムシの
写真でも貼りましょう。

採集場所は2012年に僕が屋久島初として記録したノルティア(Nortia)、ムネスジウスバカミキリを
採った低山帯の照葉樹林内。
夜にライトを照らしながら徘徊していると、見慣れた大きな倒木の下面に何か黒いモノが蠢いていました。
「ゴキブリかな?」と近寄ると・・・「オオクチキゴミ!!」

相手はさらに倒木下面の反対側に向かおうとしていたのですかさず手を添えると、「ポロっ」。
あれ? 添えた手のひらに難なく向こうはコロンと自分から落ちてくれたのです。
ゴミムシなので素早く逃げようとするのかと思いきや、手のひらの上で触角は多少動かすものの
体はほぼ動かさないのです。

鈍いんだなあコイツというのと、短足でカチッとした感じの丸っこい(でもカッコイイ)独特のフォルムが
初対面のファーストインプレッションでした。
勿論その後は幾晩かその近辺を探したものの、追加個体を見ることは出来ませんでした。
柳の下が無いのは分かって自嘲しながらやっていましたが、やっぱり珍品だよなあ。

かつて鹿児島県大隅半島の林内ナイターでクチキゴミムシを採ったことがありますが、スクリーンに
見つけた途端に摘まんでしまったのでアクションの仕方を見ることが出来ませんでした。
そいつも鈍かったのかしら。

(参考)鹿児島県大隅半島産クチキゴミムシ

大隅半島ではキンヘリアトバゴミムシも採っているので、今回のヤクシマオオクチキゴミ獲得で
とりあえずは熱烈に採りたかった南方ゴミムシ3種は手中にしました。
7年掛ってやっと念願の「ワン、ツー、フィニィッシュ」です^^

(参考)鹿児島県大隅半島産キンヘリアトバゴミムシ

奄美大島のアマミスジアオゴミムシは30年位前に入手済みだし、こっちに他の見栄えのする
歩行虫は居たかしらん・・・

奄美大島も9月に突入、メルマガ「南虫ニュース52号」配信済み(2018.9.2)

これまでの出ずっぱりが祟り疲れが溜まっていたため、ここ暫く虫採りも夏休み状態でしたが、
9月に入るに伴いそろそろ活動を再開しています。
ここ数日はこれまで全く手薄だったと言わざるを得ない「蝶」について観察していました。

しかし!
さすがに夏枯れがまだまだ続くこの時期、蝶にしてもあまり目に付きません。
勿論幾らか飛んではいるのですが、黒系アゲハはモンキアゲハ、シロオビアゲハが少々だし、
タテハ系はボロいイシガケチョウ位、シジミ系も目に付くのはクロマダラソテツ、そして
ヤマトシジミが少し。
クロマダラソテツは初夏までは見なかったのですが、やはりこの島でも秋口になると増えてくるようで、
今では数においてアマミウラナミシジミを完全に凌駕しています。

イワカワシジミの様子も見てみましたが、今は端境期の時期のようでクチナシの実に幾つかの
卵が付いていたのみでした。
公園等に植えられているゴールデンシャワーにはたまにボロのウスキシロチョウ♀がまとわり付き、
卵を産んでいるタイミングのようです。

若葉に産まれた卵と1匹だけ居た中齢幼虫。


そんなこんなで、アカボシゴマダラなども含め蝶の採集・飼育の時期はもう少し先のようです。

海岸近い小道を歩いていると、不意に足元に大型タマムシが降ってきたので捕獲してみると、
アオウバタマムシ。

ウバタマ系統は実は相当早い時期から出現する個体もあるし、遅く出る奴はやたら遅いという
代表の虫ですね。もちろん多いのはやはり初夏ですが、今年は他の虫に忙しく採り損ねたなあ。
キュウシュウクロホシタマムシなんかも採り損ねたので、来年は覚えとかなきゃ。

それから、8月31日にメルマガ「南虫ニュース52号」(表版)を配信しましたのでお知らせします。
また、秋~冬の期間限定のオークション出品は今年も9月中旬~下旬から開始しますが、ご興味を
お持ちの方は当ブログで開始日をお知らせしますのでご留意お願いします。

地元・熊本の夏の気になるカミキリ達(2018.8.21)

奄美大島は現時点、台風19号の暴風雨に晒されています。
時折停電も伴うし、なにより窓ガラスが今にも割れそうな強烈な突風が吹き荒れてちょっと心配に
なります。

天気予報によると、これから明日午前に掛けてこうした状態が続くよう。
早う去ってくれい、19号。

と言うわけで採集にもならないので、つい先日まで居た地元の阿蘇方面を中心とした地域における
気になったカミキリ数種についてメモしておきます。

まずは絶滅が懸念されるトラフカミキリ。遅めではあるものの、かつて8月下旬にも採集したことが
あったことを思い出しポイントに行ってみると・・・
ガーン! クワの木が殆ど伐採されちゃってる@@

この一帯は昔クワ畑が多かったのですが、とうにそれは無いし、逸出したものや畑脇に切り残された
僅かなクワの木でトラフは細々と世代を繰り返していました。
スケジュールの関係で二年程はこの場所に来なかったのですが、その間にクワの木は切られた
ようです。宅地化がどんどん進むエリアでは、無駄な木々はどうしても伐採の対象になるのです。

しかし、僅かに残った木でなんとか交尾中のペアを発見出来ました。時期も遅いし、まあ運が良かった
ようです。

8月最下旬にも拘らずかなり新鮮だったので遠慮無く頂いてきました。
前の記事でも書いたとおり、ここは間違いなく潰れる産地なので勤めて標本はとっとかないと。
今後一切地元のトラフカミキリの標本は放出しないつもりです。しかしここが潰れたら、今後九州で
確実にトラフが採れる所は存在するのだろうか・・・

(参考)
直近の同所におけるトラフカミキリ採集記

次いでメモしておきたいのは地元のイッシキキモンカミキリ。
九州では熊本・阿蘇のマイポイント及び大分某所(こちらが全国的にポピュラー)の二カ所でしか
ほぼ得られていないと思われます。大分の産地でも発見された頃よりかなり減っていると言うし、
マイポイントでも1980年代前半までは満足に得られましたが、近年では多かった一画で全く
見られなくなっていたので一応僕はブログ等に出すのは控えていました。
ただ今年其処で会った昆虫写真屋さんが偶然に本種を見つけて某SNSにアップしているとのこと
だったので(場所は伏せて)、まあ良いかと僕も考えを変えてブログに出すことにした次第。
ポイントそのものは誰にも分らないしね^^

クワの枝先の葉裏に留まるイッシキキモンカミキリ♂

幼虫のホストのヌルデ衰弱木に産卵に来た♀

野外では上手く撮れなかったのでズルして自宅で撮影した♂と♀


本州産と比べると黄紋部分が小さく、逆に僕はこちらのタイプの方が美しく感じますね。
今は東京の奥多摩あたりの個体数の方が九州産より遥かに多いと思います^^
地元の本種もいつまで採れるのかなあ。

そして昨年の同時期には個体数が多かったヤノトラカミキリ。
今年はエノキ材が古くなっており、1頭しか見られませんでした。標本は十分にあるので特に
必要では無いのですが、幼虫の生育確認のために細めの材を1本だけ切断してみたのが下の写真。
トラカミキリ特有の食痕が幾つも並んでいます。今年の新しい脱出口は一つだけありましたが
これはイレギュラーで、ほぼ全てが二年掛って来年の夏に羽脱してきます。
  

(参考)
昨年同時期のヤノトラカミキリ発生の様子

余談ですが、この材の周りではタマムシやアヤオビハナノミが幾つか採れた程度でした。
阿蘇一帯は基本的に草原が多く植林も進んでおり、開発度合も大きいので特定の糞虫等を除くと
一般に甲虫関係の採集は厳しいのです。(アヤオビハナノミは動きが早く撮影不可でした)

ついでにコレ、イタヤカミキリ♂
本種を狙ったわけではありませんでしたが、雑多なビーティングで偶然に落ちました。
阿蘇では6~7月の虫なので、9月の声が聞こえるような時期に採れて驚きました@@

ここ数年は時期には地元を離れていたので採ったのは本当に久し振り。
阿蘇近辺の本種は茶褐色の帯が白帯に置き換わる変わった変異を持ちます。どうやら僕が提唱した
「白イタヤ」という呼称が一部では使われているようです^^

以上、冬のネタにでもするかとお蔵に入りかけた写真を紹介しました。
台風19号が去ったら早く奄美の今の虫を堪能したいものです。
しかし、台風の怒号、時間と共に酷くなるなあ。安アパートの窓、持ち堪えるか・・・

阿蘇のクロシジミなど(2018.8.17)

せっかく年に一度の地元採集の機会があったわけなので、その際に確認した幾つかの蝶についても
ちょっと触れておきましょう。
僕が昆虫少年だった頃に比べれば随分と蝶の個体数は減りましたが、阿蘇の広大な草原においては
注意を払えば今も十分にこれらを観察することが出来ます。

最盛期は過ぎましたが夏の時期、最も阿蘇草原に特徴的な蝶の一つはクロシジミでしょう。
全国的にかなり局所的になってしまった本種も、ここ阿蘇草原では未だあちこちで見ることが可能
となっています。

路傍でチラチラとしている蝶を見て、直ぐクロシジミだと気付きました。
もうこの時期は写真の通りお腹の細っそりとした(産卵済みのため)♀しか居ません。

暫く見ていると、傍に居たクロオオアリがちょっかいを出し始めました。
クロシジミも逃げる様子は無く、両者が共生関係にあることがよく判ります。クロシジミは産卵を
促しているように見えましたが、近くにアブラムシのコロニーは無いし、第一に卵を既に産み尽くして
いる状態では何も起こりません。

近くの灌木枝先のアブラムシ・コロニーを探してみると、クロオオアリが何頭もアテンドしており
傍にパラパラとクロシジミの卵が産卵されているのが分かります。
そしてよく見ると、時期的に卵は既に孵化してしまっているようです。

逆光でよく分からなかったのですが、デジカメを近づけて接写してみたのが下の写真。
アブラムシ・コロニーの左側に、孵化したばかりのクロシジミの初齢幼虫が何頭も固まっているのが
分かります。

もしかするとクロオオアリが世話をし易いように当該幼虫を一か所に集めているのかもしれません。
あるいは幼虫が自発的に集合しているのかもしれないし、よく分からん。
いずれ本種はじっくり飼育してみるつもりで、地元にあっては何時でも飼育材料の確保は容易いでしょう^^

林道を歩いているとオオムラサキの♀が割と低くを飛びスギの枝先に留まりました。
これも逆光で分かり難い。もうちょっと低い所に留まってよ・・・

オオムラサキは随分減ったなあ。この辺りは食樹エノキが多いので未だ大丈夫でしょうが、樹液の出る
クヌギが昔ほどは無いし、なんだかんだ言って開発が進み環境は悪化するばかりなのが原因でしょう。
この辺りではミズイロオナガシジミとか、キマダラモドキ、スジグロ・ヘリグロチャバネセセリなども
殆ど居なくなったしなあ・・・

また路傍では湿った部分で阿蘇でも局所的なヒメシロチョウが数頭給水していました。
時期的に未だ♂しか出現していないようです。

阿蘇での分布は食草ツルフジバカマの分布から東部に偏る傾向があり、祖母山近辺には多い場所が
あるのですが、それ以外の所ではあまり目にしません。この日は数頭一度に見れたのでラッキー
でした。

ヒメシロチョウは中国地方の産地が喪失したので中部地方から九州まで一気に分布の空白が出来て
います。
環境の変化に相当弱い種類なので未だ地元では健在と言ってもちょっと注意しておくべき蝶です。
いつまでも優雅にチラチラ飛ぶ姿を見ていたいものです。

(参考)6年前の記事です^^
地元のヒメシロチョウ多産地における採集風景

なお本日早朝(フェリーの名瀬港着は朝5:00)、奄美大島の自宅に戻りました。
これからの時期は僕にとって未知の世界、晩夏以降の奄美大島を堪能していきます^^

年一の阿蘇草原ナイター(2018.8.15)

別に年一回と決めているわけではないのですが、ここ数年はスケジュールの関係から大体毎年
一度となっている阿蘇草原ナイターに行ってきました。
そろそろ月齢が悪くなる頃、併せて台風15号の影響が出始める頃で、今月のナイター適期の
中では最後のタイミングの日でした。

蛾屋さんは別ですが、ほとんどの甲虫屋さんには「草原」においてナイターを行うという概念は
ほぼ無いのではないでしょうか。
草原とはいっても四方八方が草だらけというわけではなく、光の届く範囲にはもちろん疎林も
あるし、一部山肌が迫っている場所で行っています。よって多様な虫が集まってくるわけですね^^

でも、今年のマイポイントではあまり虫の発生が良くなく、多種・多数が集まるというわけには
いきませんでした。
その中で久々に多かったのがキイロゲンセイ、そしてツマグロキゲンセイ。


この辺り、かつこの時期にしか採れないのでせっせと亜硫酸ボトルへ。
ゲンセイ独特の悪臭@@が鼻につきます。
そしてゲンセイ採集で避けられないのが皮膚の水膨れ。体液が皮膚に付くと直ぐに水疱が出来て破裂、
これがまた痛いのなんの・・・

これなんか直径5ミリ程度の怪我なのでなんとか我慢できますが、直径数センチの怪我となると
もう悶絶するしかありません。カミキリモドキ類やゲンセイ類が大量に集まる際のナイターでは、
採集時は勿論スクリーン等の片付けに至るまで、よほど注意深くやらないと大怪我の元になります。
知らない人、多いだろうなあ。

1頭しか来なかったヒゲコガネ。うーむ、なんで何時も少ないのか・・・

草原ナイターでは初めて来たキノコゴミムシ(疎林があるからね)など。


他にも糞虫類(放牧王国なので)や水生昆虫(草原には水溜まりが結構存在する)、草原性蛾、
食葉性コガネ、カメムシ、ゴミムシなど環境に応じた虫達が集まりそれなりに楽しめました。
(撮影サボリました)

地元で暮らしていても忙しくてなかなか叶いませんでしたが、草原ナイターも周年実行、そして
ポイントの新規開拓もやらねばと実感しつつあります。

実行出来ても地元に戻る10年?後ですが^^

珍品、九州中部のヨコヤマヒゲナガカミキリ(2018.8.13)

月齢が良いので一年振りに地元の好採集地・九州山地で盛夏のナイターを行ってきました。
天気も良く、薄っすらとガスも掛かり久し振りに多くの虫がスクリーンに集まる楽しい夜を
過ごしました^^

キュウシュウオニクワガタやヨシノキシタバをはじめとするカトカラ(シタバガ類)、その他の
雑多な虫達が集まる中、日付が変わる頃に待望のヨコヤマヒゲナガカミキリ(♂)が飛来しました。
自分の背後から飛んで来て、丁度見ていたスクリーンの部分にフワッと留まる瞬間を目撃^^

九州のヨコヤマヒゲナガは北部のS山で多数得られるのであまり価値ある物とはされませんが、
少なくとも僕の地元の九州中部(阿蘇山系以南の九州山地)ではそこそこの珍品です。
とても小型の個体群で斑紋パターンも明らかに九州北部産とは異なります。
九州南部の個体群も含め、九州全般の本種はいずれ再検討されるかもね。

他にソボコブヤハズカミキリの♀も2頭ナイターに飛来、もとい「歩いて」来ました^^
セダカコブ系は発生パターンが個体によってまちまちで、秋にならずともほぼ周年新鮮な個体が
見られます(もちろん新成虫は秋が最も多い)。

九州とは言え標高が千メートルを超えると深夜過ぎにはかなり低温となり新手の虫は来なく
なることが多いです。この日は午前3時半が限界と判断、暗い中で撤収作業を行いました。
また来年のこの頃に来たいものです。

真夏の阿蘇草原ビーティング採集(2018.8.11)

現在は一時的に故郷の熊本の実家に戻っています。今後数回は今の時期における地元採集の模様を
紹介しましょう。
真夏の採集なので虫の数は少ないし特定の種類に偏りますが、逆にこの時期にしか得られないものも
あるのでそれなりの楽しさは確実にあります^^

一年振りの阿蘇の草原。灼熱の太陽の下での草原というのも、匂いとか空気感とか何か独特の
雰囲気があり幼少の頃からなんとなく好きなものでした。
森林と違い見通しも良く、珍しい虫が多いという感覚はあまりないですが花やら草木にとにかく
虫影が濃く虫に囲まれている感を存分に味わえて虫好きには心地の良い空間でもありますね。

マイポイントでビーティングを行うと、普段は得られない珍しい虫達に出会えます。
まずは地元の珍品クロカメノコハムシ。
アザミをホストとしますが何処にでも居るものではなく、極めて局所的な分布です。
ほぼ九州でしか得られておらず、明らかに分布の中心は阿蘇地方。しかも生息地でも数が少ないという
ハムシらしからぬシロモノ。

胸部前面に在る目のように見える二つの小さな白紋を除くと全身漆黒の不思議なカメノコハムシ。
小さな黒い丸い物がビーティングネット上に転がるのがとても楽しく、クソ暑い中でも黙々と
ビーティングが続けられます^^
 
効率が悪いので普通はルッキング採集をしないのですが、撮影用に一頭探してみました。
若葉にポツンと佇む丸い黒点・・・
そしてそのアップです。


食痕も分かりなかなか雰囲気のある写真ですが、トゲが痛くてどうせ指では摘まめないため
やはりビーティングの方が効率が良いのも分かると思います。
他のこうしたハムシ類の生態から考えても、暑い時間帯や雨天を中心に葉裏に居ることも
多いでしょうから、ルッキング採集に向かないことは自明です。

アザミからは次のゾウムシ達も一緒に落ちます。
左がハスジゾウムシ、右がシラクモゾウムシ(時期が遅くツルッ禿)です。

ハスジゾウは全国的に局地的であまり多くはないようですね。生息環境の特殊性も見つけ難い
要因となっているのでしょう。
シラクモゾウは別名キュウシュウゴボウゾウとも言われ本来は西日本に特有だったのですが、
最近の昆虫誌によると関東でも記録が出ているようです。

草原ビーティングではこのほか他のハムシやゾウムシをはじめコメツキ、ゴミムシなどの甲虫や
カメムシなど得られる種類は多岐に渡ります。
著名な草食性カミキリ等を除き、特に甲虫屋はほぼノーマークなのが「草原」。

周年を通して採集を行えば意外な発見が随所にあり経験値もアップします。
何年後になるか分かりませんが、また此処で周年採集をするのが早くもプチ夢になりかけています。

ヤクマルバネコブヒゲカミキリ、屋久島の深山性特産種(2018.8.8)

ヤクチャイロヒゲビロウドカミキリと共に一昨年に続き探してみたのがこれも屋久島深山性の
固有種ヤクマルバネコブヒゲカミキリ。
コブヒゲカミキリ類を採り慣れた僕にとっても最も数を採り難いコブヒゲです。

屋久島の高山帯は独特の神秘の世界。樹齢数百年の大樹や轟轟と音を立てて流れる沢の音、何か
身に迫る重苦しい感じが常に拭えず、夜一人で林の中に突入していくのはとても勇気がいります。
長年夜の虫を採ってきたはずの手練れ甲虫屋でさえ一人での採集になかなか踏み切れなかったという
話もよく聞きます。
いやいや、それをやらずして決して良い虫が採れないのが此処でもあるのです。

そしてもう一つ其処で恐れを抱くのが「ヤマビル」の多さ。多いってもんじゃありません@@
また別の機会にこれだけの記事を書く予定ですが、数分毎に長靴をチェックしないといつの間にか
たんまり血を吸われ、服にべったりと血の滲んだ痕を見ることになります。
ダブル恐怖の夜を存分に味わえるのが屋久島の高山帯です。

で、長靴のヒルを指で跳ね飛ばしながら見つけましたよ。ヤクマルバネコブヒゲカミキリ。
やっと姿を現した♂。

前回の雪辱を果たした♀。複数採集出来てシアワセだ^^

いつも思うが、落としたらオシマイなのにちゃんと写真に残すのはスゴイな、ワシ。
運良く落とすことも無く、ちょっとだけマイコレが増えました^^

1時間探しても、二時間探しても、運が悪いと全く見つからないのが本種。
もうやりたくない・・・のが本音ですが、またやるでしょうね。
イイ虫過ぎるから^^

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