真夏の阿蘇草原ビーティング採集(2018.8.11)
現在は一時的に故郷の熊本の実家に戻っています。今後数回は今の時期における地元採集の模様を
紹介しましょう。
真夏の採集なので虫の数は少ないし特定の種類に偏りますが、逆にこの時期にしか得られないものも
あるのでそれなりの楽しさは確実にあります^^
一年振りの阿蘇の草原。灼熱の太陽の下での草原というのも、匂いとか空気感とか何か独特の
雰囲気があり幼少の頃からなんとなく好きなものでした。
森林と違い見通しも良く、珍しい虫が多いという感覚はあまりないですが花やら草木にとにかく
虫影が濃く虫に囲まれている感を存分に味わえて虫好きには心地の良い空間でもありますね。
マイポイントでビーティングを行うと、普段は得られない珍しい虫達に出会えます。
まずは地元の珍品クロカメノコハムシ。
アザミをホストとしますが何処にでも居るものではなく、極めて局所的な分布です。
ほぼ九州でしか得られておらず、明らかに分布の中心は阿蘇地方。しかも生息地でも数が少ないという
ハムシらしからぬシロモノ。
胸部前面に在る目のように見える二つの小さな白紋を除くと全身漆黒の不思議なカメノコハムシ。
小さな黒い丸い物がビーティングネット上に転がるのがとても楽しく、クソ暑い中でも黙々と
ビーティングが続けられます^^
効率が悪いので普通はルッキング採集をしないのですが、撮影用に一頭探してみました。
若葉にポツンと佇む丸い黒点・・・
そしてそのアップです。
食痕も分かりなかなか雰囲気のある写真ですが、トゲが痛くてどうせ指では摘まめないため
やはりビーティングの方が効率が良いのも分かると思います。
他のこうしたハムシ類の生態から考えても、暑い時間帯や雨天を中心に葉裏に居ることも
多いでしょうから、ルッキング採集に向かないことは自明です。
アザミからは次のゾウムシ達も一緒に落ちます。
左がハスジゾウムシ、右がシラクモゾウムシ(時期が遅くツルッ禿)です。
ハスジゾウは全国的に局地的であまり多くはないようですね。生息環境の特殊性も見つけ難い
要因となっているのでしょう。
シラクモゾウは別名キュウシュウゴボウゾウとも言われ本来は西日本に特有だったのですが、
最近の昆虫誌によると関東でも記録が出ているようです。
草原ビーティングではこのほか他のハムシやゾウムシをはじめコメツキ、ゴミムシなどの甲虫や
カメムシなど得られる種類は多岐に渡ります。
著名な草食性カミキリ等を除き、特に甲虫屋はほぼノーマークなのが「草原」。
周年を通して採集を行えば意外な発見が随所にあり経験値もアップします。
何年後になるか分かりませんが、また此処で周年採集をするのが早くもプチ夢になりかけています。
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