健在なるも減少が進む阿蘇東部のヒメシロチョウ(2012.5.2)
全国的に減りつつある草原性の蝶にヒメシロチョウがあります。
中部以北にはまだ産地も多いのですが、中国地方の産地が潰れてしまったので
中部から九州までの間は一気に空白地帯となっています。
九州は阿蘇、そして九重と広大な草原地帯が連なっているため、絶滅の恐れはまずないでしょう。
私の母方の里が祖母山の近くにあり、子供の頃はGWや夏休みに祖父母に会うため
(そして昆虫採集をするため^^)いつも遊びに行っていました。
ヒメシロチョウは畑の脇の草原にいくらでも飛んでいたものです。
あれから30年以上経った今、ヒメシロチョウの消長を見るためGW初日に彼の地へ行ってきました。
九州で最もヒメシロの密度が濃いのは我が熊本県ですが、阿蘇広しとは言えヒメシロの分布は
県東部に偏っています。これは食草のツルフジバカマの分布に従っているんですね。
図らずもマイポイントは、その中でも最もヒメシロが多い地域となっています^^
ヒメシロの発生地の外観です。
道路と畑の間に帯状の緩衝地帯があり、ここに食草のツルフジバカマが生えています。
ヒメシロはここから道路、草原斜面にかけて飛んでいます。
「あれ、こんなに少なかったっけ・・・」
これが第一印象でした。
昔は視界に10頭は乱舞していたのに、3~4頭を確認するのがやっと。
阿蘇のヒメシロはまだまだ多いと言われますが、着実に減少は進んでいると感じました。
野焼きのススで汚れたツルフジバカマに卵が付いていました。
時期的には♂は大半がスレており、♀はほぼ完品。丁度産卵期に入ったところでしょう。
スミレでの吸蜜の様子と草につかまって休む♂です。
道路を歩きながら辺りを見回すと、決して多くはないものの広範囲に点々と飛翔個体が確認できました。
これならまだ居なくなるのを心配する必要はなさそうです。
個人的には思い出の蝶としていつまでも阿蘇の草原を飛んでいて欲しいものです。
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