西表島は暖かなるも・・・(2016.3.21)
数日前のノコギリヒメコバネカミキリ(イリエイ)採集の既報のとおり、西表島に来ています。
ここはネット環境が劣悪で無線LANが使える場所をあちこち探し回っています(汗)。
さて、大げさに言えば極寒の与那国から、すっかり春の装いの暖かい大地に来たという印象ですね。
僕が与那国を脱出したと同時に八重山は急に気温が上がったようです。
与那国滞在中はジャンパーをほぼ常時羽織っていましたが、ここ西表では八重山の定番ファッション、
すなわちTシャツに短パン、ゾーリ姿にやっと変身出来ました。これこれ、こうじゃなくっちゃいけません^^
これまで幾度となく体験はしていましたが、1日違うと天国と地獄という早春の八重山を過ごしています。
しかしながら、これまでの寒さが祟って虫、特に甲虫の発生はかなり遅れ気味のようですね。
件のノコギリヒメコバネとチュウジョウクビアカモモブトホソ以外はほぼ面白い甲虫がネットに入りません。
メルマガにも書きますがイリエイはちょっとフライング気味の発生ですが、クラルアが♂も含め
今が最盛期なので完全に今年の春は遅いと言えるでしょう。
あれほど執拗なスウィーピングにも拘らず、コメツキやゾウムシ等の普通種が数種入るのみで
トラニュース(トラフホソバネ2種)などは全く入らず。
いずれにしても色んな虫が出始める春にはなっておらず、オオヒゲブトなどまだまだといった感じ。
さて、イリエイ、チュウジョウクビアカモモブトホソ等を育む西表の原生林
こんな沢をバシャバシャやりながら採集します^^
とは言え全く虫が居ないわけではないので目に付いたものを幾つか挙げておきましょう。
スウィーピングで入ったヨツスジカミキリ。
ダラダラ発生でほぼ周年見られます。親類のウスアヤに似た感覚ですね(もちろん寒い時期は少ない)。
西表島と与那国島にしか居らず、西表産は数が少なくエリトラ白紋がより鮮明です。
クロツグ枯れ枝内の幼虫も少ないのですが、終齢を少し確保したので与那国で採ったフト2種と
共にとある食性の実験に回します。
カミキリは他にイシガキキボシ、イツホシシロ、アヤモンチビ等の駄物がやっと入る程度。
林縁を弱々しく飛んでいた羽化直後のマサキウラナミジャノメ。
本種は今、発生したばかりの美しい個体が多数見られます。リュウキュウヒメジャノメもそこそこ
数が居ます。
ジャコウアゲハやクロアゲハ、マダラチョウ類といった普通種は結構多く、オオゴマダラもそこそこ
目にします。
ヤエヤマイチモンジの出たての美しい♂に感激し、♀のデカさにびっくりしました。ヤエヤマカラスや
ミカドが給水に来ているし、石垣には居ないリュウキュウウラボシシジミも結構チラチラと飛んでいます。
今の個体はデカイですよ^^
蝶は甲虫に先駆けて数を増しているように感じますね。
何か虎柄模様のハデなものが飛んでいたので追い駆けるとハグルマヨトウ。
生展翅出来る用意があれば間違いなくキープしますが未だ暫く標本作成はおあずけの虫です。
まあいずれ飼育でもしてビカビカのヤツを一杯展翅してやりましょう^^
見ているとゴマダラチョウのそれに似た真黄色の口吻を出したり引っ込めたりしています。
恐らくこれも出たてで体の機能をあれこれ試している最中だったのでしょう。
3月の西表島は先の与那国と同様にジャブ程度、いわゆるオプションで体慣らしの位置付け。
そのジャブでイリエイをもう採ってしまったのではありますが^^
西表島はまた5月に本格的にやるしね。
ただ残り数日の西表島、それに続く石垣島でもこの春うららの調子がこのまま継続するとは限りません。
風向きが変わって北風が吹けば、また長袖を着込む肌寒さが戻ってきます。本土のゆっくりとした
三寒四温の季節変化とは異なり、オン・オフの感覚で長袖とTシャツを目まぐるしく着換える日々が
続くのです。少なくとも4月上旬まで・・・
押しなべて三日に二日は雨という春の天候不順も加わり、春物狙いの採集者は翻弄されるわけです。
ここ結構大事。テストに出るよ^^
季節が早く進んでいれば西表でもオオヒゲブトが採れるかなあ程度の初期の考えだったのですが、
それは完全に無理と悟りました。
与那国同様に雨も多いので、無駄な動きは抑えて次の石垣島に備える、か。
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