ハナムグリ・コガネ | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

南阿蘇の最美レインボーセンチ、今年は不作・・・(2022.10.2)

最美レインボーセンチの産地と言えば、祖母山周辺および南阿蘇地域の二つが在ります。
両者は甲乙付け難いので今後も「最美の」という枕詞はこの2産地を表すものとします。

先日祖母山の様子を見てきたので、今回は南阿蘇の方はどうじゃろかい、と行って来ました。
このポイントでは10年前に大発生しており、行く度に1メートル(1m=何cm?)は採れたので
期待出来る場所です。
行きがけの阿蘇連山。今日は稲穂が実る黄金の絨毯を写してみました。

ポイントは二か所あり、まずは杉林に仕掛けた糞トラップを見ます。
此処も祖母山のポイントと同様に下枝打ちされてから一気に激減したんだよなあ。あれから
5年以上は経つので多少は数も戻っているんじゃないか・・・

と思いながらほじくるも、出て来るのはゴホンヅノダイコクが殆ど。

レインボーセンチも多少は出て来るものの、ゴホンヅノの方が圧倒的に多い。
上の写真の様に未だ林内は明るいからなあ。その割にはオオセンチが少なくて良いけどね。
そうだ、ゴホンヅノダイコクの在庫もすっかり無くなっているので今日はゴホンヅノ採集日としよう。
と思いつつ大型個体を中心にせっせと摘まみます。

そして次のポイントへ。此処は植林地帯ではなく全くの野生林なので期待が持てます。
環境は10年前と全く変わっていないようです。

確かにレインボーセンチは先ほどの杉林よりは出て来るものの期待したよりは遥かに少ないですね。
良いとこ30センチちょっとと言った感じかな。

まあ此処のポテンシャルは大体こんなものかもしれません。以前の連日1メートルというのはやはり
異常値なわけでね。野生鹿の数や諸々の条件で数は増減するんでしょう。
野生鹿の数も一頃よりは減っているようだし、それなら糞虫も減るよね。

南阿蘇には他にも幾つかトラップに適した場所が在るので、今後も試してみようと思っています。

阿蘇山の「そこそこ良い」レインボーセンチ(2022.9.24)

今日は阿蘇山のレインボーセンチの発生具合を見てきました。
此処は全くの独自ポイントで、阿蘇(連)山の「内部」になります。レインボーセンチと言えば
最美群との呼び名が高い祖母山周辺産もしくは南阿蘇(外輪山の南側)産を採りに行く機会が
多くなりますが、阿蘇山そのものの一画にも「そこそこ綺麗な」群が生息しています。

朝もやに煙った阿蘇連山。
横目で眺めながら通り過ぎることが多いのですが、今日は此処を上ります^^

ポイントの様子。ある程度の樹齢の杉林です。
写真では結構明るく見えますが、実際は割と暗いです。

「どれどれ。」
数日前に仕掛けたトラップを少しずつ暴いていくと・・・
まあまあ、出てきますね^^


実は此処のスギ林も多少の枝打ちが行われていたので心配していたのですが、影響はそれほどでも
なかった模様です。でも最も多かった年に比べると半分~三分の二位かな。

次回は最美群の一つ、南阿蘇の様子を見てみましょう。

祖母山、ミヤマダイコク・最美レインボーセンチの復活の兆し(2022.9.14)

今回はレインボーセンチの中でも最美群の一つを採りに行って来ました。場所は僕が住む熊本県と
大分・宮崎両県の3県境に位置する祖母山です。
別の最美群は阿蘇地方の南部に居るのですが、感覚的には祖母山産の方が僅差でやや上かな、という
個人的評価を持っています。

祖母山と言えばソボリンゴカミキリやソボアオジョウカイなど多くの虫にちなんだ有名な山で、虫屋なら
知らない人はまず居ないと思います。
ただ、此処は行くのが大変。県境ですから居住区から遠いのは当然ですが阿蘇地域の奥、そして更に奥、
といった感覚の場所なんです。母方の里が近くに在ることもあり、九州の虫屋でも僕ほど此の辺りに
出没する者は居ないでしょう^^

彼の地へ赴く途中で撮った阿蘇カルデラ。何時もは南部方向から撮る写真が多いのですが、今回は
珍しい東南部からの姿です。此処は既に阿蘇の外れに当たりますが、これから奥阿蘇方面へひたすら東を
目指します。

そして宮崎県に入り、更に走ると祖母山登山口近くにやっと来ました。

例によって数日前に牛糞トラップを仕掛けているので早速暴いてみます。
此処の狙い目の一つ、ミヤマダイコクはなんとか2♂1♀が入っていました。
(自宅で殺虫後に撮影)

九州におけるミヤマダイコクの分布は極めて限られ、オフィシャルには確実な記録は祖母山塊のみ
だったと思います。九州における本種はとても貴重なんですよ。
10年前ならこの数倍はトラップに来ていましたが、ある時期にスギ林の下枝刈りが行われ林内が
明るくなりミヤマダイコクは姿をほぼ消していました。よって採ったのは7~8年振りになりますが、
昔のように数が戻るには少なくともあと5~6年は掛かるのかなあ(林内が暗くなるまで)。

実は明るい環境を嫌うレインボーセンチも同様に激減していました。林内が明るくなるとともに
ミヤマダイコクとレインボーセンチが居なくなり、オオセンチが大勢になってしまっていたことから
足が向かなくなっていました。
しかし枝打ちから10年近くが経ち、それなりに林内環境が良くなりつつあると踏んだことから期待を
抱きながらトラップを掛けたわけです。

どれどれ居るかな、とトラップを暴いていくと・・・
うん、まあまあ出て来る。最美レインボーのカラフルなバンザイも良いね^^

そして今回の成果。まあまあじゃない?

ミヤマダイコクと共にレインボーセンチも戻りつつあるということが分かり大収穫でした。
遠いからあまり行きたくはないけど、あと1回は行っときますかね^^

数年振りのレインボーセンチ捕獲、その序幕(2022.9.10)

成虫シーズンも終盤に差し掛かり出動の回数も減ってきましたが、そろそろ採集地における気候も
良くなってきたので秋の採集を開始しようと思います。
数日前に牛糞トラップを仕掛けていたので、今日はそれの成果の確認に行って来ました。
実に4年振りのレインボーセンチ採集となります(その間は奄美に住んだため)。

当ブログを昔から御覧の方は、僕が住む熊本県と大分・宮崎両県の3県境付近から熊本市付近へ
斜め下に伸びる「とあるライン」が在るのを御承知と思います。このライン近辺のセンチコガネは
複数の色彩が混在する群が知られ、これらは慣例的にレインボーセンチと呼称されます。
正に僕はこのラインの最も近くに住む(なんならライン上に住んでいると言えなくもない^^)虫屋で、
僕は独自に当ラインを「レインボーベルト」(線ではなく幅があるから)と呼んでいます。
ちなみに当ラインは九州における「中央構造線」とほぼ重なっており、恐らくは太古からの地殻変動が
この美しいレインボーセンチ群を生み出す何らかの原動力となったことは間違いないでしょう。
そして九州だけに現れたというのも神様の悪戯のようで面白く思います。

と、少し復習をしたところで今日の話題です。
レインボーベルトとは言いましたが、この帯の各所に現れる「群」の色合は互いに規則性は殆ど無く、
大袈裟に言えば山塊毎に採ってみなければ正体が分かりません。
今回は位置的に「東阿蘇」の範疇に含まれる一画にトラップを仕掛けています。

久し振りに見る、トラップを暴いている様子。
豆知識:糞塊や土中を探しながら虫を摘まむ作業はピンセットより割り箸の方が遥かにやり易いよ^^

万歳をして軍門に下ったセンチ達。オオセンチ1頭のほかゴホンヅノダイコク数頭が混じっています。
勿論これらは全体の一部です^^

ふーん、此処は2色が混じる程度のあまり面白くはない一画なのか・・・
などと確認しながら淡々と作業を進めます。
レインボーセンチ採集は一言で言えば「トラップ仕掛け」と「回収」を繰り返す作業ですが、実は
かなりの重労働なんですよ。
僕もそろそろ還暦の身なので10年前のようにはいきませんが、「レインボーセンチに最も近い男」
としては出来るだけ手数を出してみようと思います。

ウスチャコガネの♀ゲット^^(2022.4.12)

今日辺りにクマモツマキチョウの卵が届くので、餌のカラシナを確保するためちょっと高い山へ
行って来ました。
九州の平地では、菜の花類は既に蕾が無く結実している時期なので山へ行かないと孵化直後の
初齢幼虫に適した餌が無いのです。

餌を取り終えて下山、ふと気になった中流域の河川敷に降りてみるとウスチャコガネの飛翔が
目に付きました。あまり多くはないものの、今日は♀を探すつもりで調べてみると・・・
居ました^^

やはりヒゲブトハナムグリの♀を探す要領と同じですね。採り方が分かり安心したので2頭採って
探すのを止めました。
草むらには他にもアオウスチャコガネやヒラタアオコガネが見られ、1時間の寄り道でしたが
楽しめました。やはり本土はこうした普通種でも種類が多くて良いですね^^

近所の河原でウスチャコガネ採り(2022.3.25)

今日は健康のため何時も1時間程歩いている河原の歩道で春の風物詩の一つ、ウスチャコガネと
戯れてきました。
此処にウスチャコガネが居ることに気付いたのは昨日の散歩中でしたが、さすがにネットも容器も
持っていなかったため改めて今日臨んでみた次第。
最高気温が20℃ちょっとと虫遊びには最高の日和の中で良い運動にもなりました^^

これが何時もの散歩道。有明海に注ぐ一級河川の最下流域です。僕が子供の頃は河岸は鬱蒼とした
ジャングルで色々な生物が居ましたが(この近所に住む幼馴染に聞くとフクロウ@@も居たとのこと)、
今ではこのような綺麗に造成・整地された遊歩道となっています。

雑草の新芽・新葉が萌え出した斜面にはあまり多くはありませんがベニシジミやモンキチョウといった
春の蝶が飛んでいたり、無茎種のスミレが咲いていたりします。いずれやるオオウラギンヒョウモンの
飼育の餌採りにも此処は使えるかな。


カラスノエンドウやヨモギなど雑草がまばらな斜面を注意深く見ていると、ハエのように目まぐるしく
飛び回っている小さな黒い虫が居ます。暫くすると草に留まるので近付いて見ると・・・
ウスチャコガネ♂です。風が強く草が揺れて撮り難い・・・



脅かすと殆ど素早く飛んで逃げていきますが、中には下に落ちて草元に隠れる奴も居ます。
飛ばない時間帯はこんな感じで暮らしているのでしょう。

ちなみにこうした虫の捕獲には通常のネットよりも100均の子供用ネットの方が効果を発揮します。
振り易いし虫も採り出し易いからね。ハンミョウにも良いでよ^^
シーズンの間は車に一つ積んでおくと良いと思います。

うーむ、ウスチャコガネの奴、あまり数が居ないなあ。風が強くやや肌寒いからかなあ。
それとも時期が早過ぎる、あるいは遅過ぎるからかしら。
それに♀はどうやって探すのだろうか・・・
関東のヒゲブトハナムグリの場合は、むしろ僕と当時の相棒N氏とで♀の採り方を発見したような
ものでした。同じような習性の虫だろうから、基本的には同じなんだろうけどそのためには♂が
ワラワラ飛んでいなくてはダメで、今日なんかは絶対に♀を見るのは無理でしょう。
ウスチャコガネの♀の採り方を知っている人はコソッと教えてください^^
正直あまり食指が動く虫では無いけど、遠征に行かない年の春に探してみたいので。



気温20度とは言っても風が強く、明日の雨に向かって曇天度合いが時間と共に増してきたので
採集出来たのはせいぜい1時間でした。
コガネ(特に茶色系)は正直あまり好きではないし、断捨離中の今の僕にはこんなもんで十分
(勿論もう少し採ったけどね)。

此処は歩いて来れる散歩道だし、気が向いたら本種の消長を確かめておきたいと思います。

オオシマセンチより、やっぱりレインボー・センチ(2021.11.5)

11月に入った奄美大島の山肌は、葉を落とした木々が目立つようになってきました。
一応落葉樹とは言えるんだけど、本土の落葉樹とはまた違う雰囲気の木が多くちょっと戸惑います。
寒くなるとサッと葉を落とし、春になるとサッと芽吹いて直ぐ青々と葉を茂らせて元の姿へ。
山がちょっと寂しく見えるのはほんの一瞬。
今年も奄美の「薄い」、そして短い冬が始まるんですね^^

九州に戻る前、奄美での最後の秋も深まって来たということで一回位はオオシマセンチコガネを
採っとくかな、と山へ行って来ました。
一応標本は持っていたし、野暮ったくキレイではないのでなんか食指が動かなかったんですよねえ。
でも、今後この時期に奄美に来るチャンスもなかなか無いわけで、後悔だけはしたくないしね。
で、虫カゴの中に放り込まれたオオシマセンチ達です。

アスファルトの上で撮ってみましたが虫も背景も黒じゃ全く映えませんなあ。
本土のセンチ達と同様にバンザイした格好で固まるのは一緒のようです^^
ただ、本土の二種と比べると体格に比して手脚がひょろっと細く感じます。

でもねえ。私ゃ、郷里の宝石たるレインボーセンチの方がやっぱエエワイと強く感じましたね。
煌(きら)びやかさが決定的に違う。

だって、これだもん。
レインボーセンチ^^

これは数あるバラエティの中で最も美しい群の一つ、郷里の熊本:南阿蘇外輪山産。
展足するとこんな感じになります。


僕は日本でもレインボーセンチ群を採集するのに最も恵まれた位置に生まれ付いた虫屋です。
来シーズンからにはなりますが、今度こそは時間を掛けて熊本に斜めに横たわるレインボー・ベルト
(僕の造語^^)およびその周辺(大分・宮崎の一部)を細かく調べたいと思います。
レインボー・ファンの皆様、ご期待を。

最後にちょっとフォロー。
煌びやかさという点でオオシマセンチをレインボー群と比較するのは酷だけど、オオシマセンチにも
それ以外の魅力は確かにあります。分布域とか、体格とか、単色の集合美(無理やり^^)とか。
やっぱりセンチ箱に1(ワン)ブロックは必要な存在かな。

初めての喜界島(2021.6.28)

人生初となる喜界島に行って来ました。これで奄美群島の主だった大きな島にはとりあえず一度は
訪問したことになります。
喜界島は奄美からフェリーで行く場合、往路は夜間着、帰路は早朝発となるので宿やレンタカーの
扱いが難しいのですが採集と言う意味では効率の良い島となります。今回は梅雨の狭間の二日間の
晴れ間を有効に使えたのでとても楽しい遠征となりました^^

奄美からのフェリーは夜8時過ぎに出航します。満月が街灯等に集まる虫の採集がほぼ出来ないことを
残酷にも告げています。クロマルコガネ、オワタ・・・
丸っこいだけの甲虫はそんなに好きではないので良いんだけどね。

翌日はレンタカーで島を一周しながら第一目的であるドウボソカミキリ類に良さそうな環境を探します。
当グループを採り慣れていることもあり、程なく生息地に行き当たりました。
イマサカおよびシロスジのドウボソカミキリです。


前者は比較的発生の遅いドウボソなので未だ適期とも言えますが、後者については正直遅く大部分に
欠け・擦れが見られます。
なおイマサカについては最近記録地が増えており、島嶼部にかなり広範囲に居る種類であるのが
分かってきましたね^^

喜界島で動いていると特に目に付くのがキカイジマイシガキシロテンハナムグリ。
あっちこっちの海岸の草付き周りを飛び回っています。


かつてイシガキシロテンハナムグリでもグループ内で最も美麗と思しき(感想には個人差があります)
波照間島産とも空中戦を交えたことがありますが、それよりも低くやや緩やか飛ぶのでとても採集
し易いものでした。

喜界島で特徴的なキボシカミキリ。現在の分類上はアマミキボシの範疇とされていますが、黄色味が
とても強いなどかなり特化しています。

今のところ唯一の特産亜種キカイジマノブオケシ。何故かなんでこんなに少ないの?と思うほど採れず、
再度行くべき理由の一つになってくれました。
(と言うか、時間も無かったのでまた来るためにそれっぽい所をわざと叩かなかった^^)

時期が遅過ぎて2♀しか採れなかったリュウキュウルリボシ。♂も採れましたがボロ過ぎて捨てました。
斑紋的には沖永良部産や与論産のようにギラギラ型ですがエリトラ両側面に縦線が部分的に発現しており
大袈裟に言えばミヤコルリボシのようなパターンを感じます。もちろん沖縄亜種や奄美産のような通常型の
範疇のものとは全く異なります。これは是非また採りに行かなくちゃ。サペル命なので^^

恐らく喜界島未記録のタイワンナカボソタマムシ。エリトラ先端の波型の斑紋が極めて太く、初見の際は
エリトラ先端がとても白く見え驚きました。数頭採った全てが同様だったので固定された特徴でしょう。
これについては少し調べてみるつもりです。

ダメ元で月明りで明々とした夜に出回ってみましたが、やはりライトに集まる虫はほぼ皆無でクロマル
コガネは1頭しか採れませんでした。他の虫ですらヒラタクワガタ1ペアとアオドウガネ数頭しか来て
いなかったので採れたのは奇跡だったかも。手にしてみると意外と面白い虫と感じたので、これも来年以降
再訪問のきっかけになってくれそう。

喜界島や与論島は分布する種類が少ない上、魅力ある種類もあまり居らず遠征に二の足を踏みがちです。
ただ、行ったら行ったで多少のこだわりが生まれ、また行きたくなるのが虫採りの困ったところ。
数年間でも奄美群島に携わった者として、今後も機会を作り係わって行こうと思います。

沖永良部、沖縄、与論遠征から戻りました(2021.5.8)

2週間の沖永良部島、沖縄本島、そして初めての与論島を巡る遠征から奄美の自宅へ戻りました。
相変わらず移動が多く、アラ還にはちょっとキツイ旅行でした(フェリーだし^^)。
若い時分には何てことはない旅程ですが、体力が次第に衰えてきているのが分かりますねえ。
そんなことはどうでも良く。

沖永良部は春、夏と何度か通っており虫も多くとても好きな島ですが、生息する種類数が少ないので
さすがに飽きつつありますね。ただかなりの種類が特化しており独立種や亜種が多いのが魅力の
島です。なんとなく手持ち標本を放出してしまいマイコレが無くなってきていたので、春は今後暫く
行かないつもりで徹底した断捨離思考で好きなものだけ補充してきました。

沖縄本島へ向かう途中で沖永良部へ寄ったのですが、初めて春に台風(2号)の影響を受けることになり
条件付きのフェリー運行でしたが、幸運にも沖永良部に降り立てました。もし寄港出来なければ
沖縄直行になるところでした・・・
下は翌日の荒波。当然フェリーは欠航。間一髪@@

沖永良部滞在中は台風の余波が続き採集はやり難いものでしたが、何とか目的の種類や数は
得られた感じです。過去のポイント開拓や経験が大いに役立ちました^^

オキオエラブシロスジドウボソ。
ちょっと赤っぽくて小さい独特の亜種です。さすがに多くはありませんが、これまでと併せると
なんとかマイコレは貯まったかな。

サペルディーニ命なので各島のリュウキュウルリボシを鬼集していますが、沖永良部の本種は
沖縄の亜種よりもさらにブライトンでブロックで揃えると「映え」ます^^
ちなみに後日訪れた与論産も同タイプです。


オキノエラブリンゴも今回までで十分貯まりました。ちなみにかなり持っていた各島のリンゴ各種は
随分放出して崩壊状態なので、本種を皮切りに本土産も含め再鬼集を始めるつもりです。
下はルッキングで見つけた交尾中のペア。

雨を避けて細枝を齧っていた♂、葉脈に付けられた線状の食痕も見えます。

ホストのテイカカズラの葉を集団で薄く齧る亜種のオオミドリサルハムシ。他島のように緑色ではなく
藍色でとても美しい個体群です。

次は二年振りの沖縄北部やんばるの森。懐かしいなあ。
これまで成虫採集では春の特定種のみを狙っていましたが、来年以降は5月中旬以降の初夏物を狙って
ぼちぼち通う予定です。

昨年は行かなかったので、二年振りに採ったオキナワホソコバネ。
今年の発生は最悪レベルでしたねえ。諸事情で本種についてはあまり語らないことにします。

そして初めて訪れる与論島。沖永良部もそうですが、奄美から沖縄へフェリーで往復する途中で
寄れるのがとても好都合。本土からはなかなか行けないからねえ。
綺麗な海で有名な与論なので、通り掛かった海岸を写してみました。虫ブログに海岸名などいらないのだ^^
でもホント美しい・・・

僕ほど各島のドウボソカミキリ類を採ってきたカミキリ屋も居ないと思いますが、採り易く感動した
シロスジドウボソ。勿論ドウボソ類が好む環境を見つけなければ数は採れませんが、堪能しました。
残念ながら沖永良部のようには特化はしていないよう。全般的に小さいのは共通していますが。

参考までに沖縄北部で採った大型のシロスジドウボソと与論の最小個体を並べてみます。

与論で最も嬉しかったのがコレ。大きな大きなヤエヤマトラ。
これだけで与論に寄った甲斐がありました^^

最後に、与論にフェリーで行く人もまず居ないと思うので港に近寄るフェリーの写真を載せます。

最初の予想より虫が多く採れて、とても楽しかった2週間の遠征でした^^

徳之島のケブカコフキコガネ(2021.3.8)

徳之島にケブカコフキコガネを採りに行って来ました。地元奄美では面倒がって全く探しても
いませんが、同じ奄美亜種なら徳之島産の方がコレクション性は高かろうとこじつけたわけです。
予めグーグルマップで「この辺はどうかな?」と中(あた)りを付けていた場所を探すと結構居て、
なかなか楽しい採集が出来ました^^

ライトを照らしながら闇夜を徘徊していましたが、午後8時を回っても全く姿を現さなかったので
ちょっと焦りました。
が、そのうちに「ブブブ・・・」という大型コガネの羽音がし始めたので思わず、「勝った!」と
声が漏れてしまいました。

徳之島産ケブカコフキコガネ。奄美群島亜種です。

沖縄群島亜種とは交互に「表年(採れる年)、裏年(採れない年)がある」とマコトシヤカに
言われますが、僕はこのテの虫屋のトシ(?)デンセツには全く組しません。
在るわけないでしょ、そんな非科学的な話。かつての群馬県の産地におけるアラメハナカミキリも
「隔年発生」などと言われていましたが、虫なんてその都度条件が良い場所に発生するし、条件の
悪い場所には発生しないだけ。
ポイントは変わる可能性があるし、知られた産地でも年による増減があるので良い場所に行き
着けるかどうか、ただそれだけです。
今年の良い発生ポイントに行き着けなかった者らがへんてこりんな説を流布しているということ。
以上、ちょっとメルマガネタ的なことを書きました。

暫く遊んでみようと生かしておいても、どうも生命力が薄い感じのコガネなので殆ど動いてくれず
あまり面白くありません。


ところで、♀は明日探そうと1時間半で採集を止めてしまったのが運の尽き。
翌日は終日雨となりオジャンとなりました。こっちは「負けた・・・」
お腹一杯なので暫くは良いけど、また採りたくなったら今度は♀をじっくり探してみましょう。
あの感じだと多分ナンヤカンヤやれば幾つかは採れるでしょう。

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