殺し合い、共食いもするフトカミキリ属の幼虫(2016.9.12)
今季遠征の序盤、与那国島でフトカミキリ属2種の幼虫の材採集を行いましたが、それには一つの
ミッションがありました。
以前からの疑問。
フトカミキリの幼虫は何故、1本の枝に1頭の幼虫しか居ないのか・・・
適当な枝には複数の♀が産卵してもおかしくないはずなのに。
合理的な理由として真っ先に浮かぶのが、「殺し合い」もしくは「共食い」。
なぬう、肉食でもないカミキリの幼虫が同種なのに殺しあったり共食いなんかするかあ?
普通はそう考えるのでしょうが、永年虫を見てくるとある種の常識が覆ることがあるものです。
クワガタの幼虫だって飼育中にたんぱく質の補給を念頭に与えれば他種の甲虫の幼虫(カブトムシ類や
ゴミダマ類が一般的)を食べますしね。
材中に居る甲虫類の幼虫は表からは見えず詳しい生態が分からないものが多いですが、僕は意外と
結構多くの種類が共食いや他種の幼体を捕食することがあると考えています。
フトカミキリについては前段のような理由から思いついたものですが、今季採った与那国産ウスイロフト
カミキリの幼虫を一つの容器に2頭入れて暫く観察してみました。
その結果がこれ。
ちょっとグロい写真ですが、左の個体が右を噛み殺した上で、その一部を捕食しているのが分かります。
「思ったとおりだ。」
1本の枝を中空にしてその中を行ったり来たりするフトカミキリの幼虫にとって、複数の幼虫が
居たのでは都合が悪いわけです。よって幼虫同士が遭遇した際に殺し合いが起こるのでしょう。
その過程でたんぱく質の補給も兼ねて勝者が敗者の一部を食してしまうと。
実はこの実験を別の2頭の幼虫でも試したのですが、結果は同様でした。
虫は知れば知るほど、固定観念が取れて頭が柔軟になります^^
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