九州では珍品、マダラゴマフカミキリが羽化(2016.12.23)
暮れも押し迫る中、自宅の容器の中で九州では珍種のカミキリがひっそりと羽化しました。
それは、マダラゴマフカミキリ。
先月下旬、大分県九重山で開催された九州虫屋連絡会の際に、原生林の中での散策で枯れ木より
蛹を割り出していたものです。
本州の一部では、コナラ林(二次林)の住人でもあったことが判り多数が採集されてかつての
珍品の座からあっけなく滑り落ちたのは記憶に新しいところです。
かつて僕も福島県舘岩村のコナラ林において、相当の数を採集して驚喜したものでした。
が、九州においてはそうした環境では見つかっておらず、未だに原生林色の濃い、かつ極めて
局所性の高い珍種という位置付けは全く変わっていません。
九州では大分の九重山系および祖母・傾山系で多少は採れているものの、その他では僕の郷里の
熊本で僅かに1頭が採れているのみです。
その熊本産も厳密に言えば九重山系に関連の深い阿蘇山系の南部の渓谷でポツンと採れており、
九州中部の九州脊梁山地では記録がありません。
このことからも九州に於いては極めて局所的なカミキリということが言えるわけです。
これが羽脱した九州産マダラゴマフカミキリ。
かなり小さい印象ですが、九州では初めて採った^^
ここが本種の蛹を採集した環境。
(参考)先月下旬の九州虫屋連絡会参加の様子
オーソドックスに「イヌシデ」(本種のホストとしてよく知られる)の直径十数センチの幹
(地面に倒れたもの)の樹皮下近くに作られた蛹室内の蛹。
複眼が色付き始めており、冬を越して暖かくなったらすぐに羽化するであろうことが見て取れます。
たぶん本種だろうと確信はしていましたが、ちゃんと羽化してくれて良かった良かった^^
蛹を取り出すと、ハンドリングによっては傷付けてしまい死に至らせるケースが結構ありますから。
成虫も含めて追加が得られそうな感触を得られたのも大きな収穫でしたね。
再来年から予定している九州本土での重点採集活動がますます楽しみになりました^^
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