チャイロヒラタカメノコハムシ、そこそこ採れるのはこれくらい(2019.6.18)
梅雨時の奄美大島に現れる異形ハムシがチャイロヒラタカメノコハムシ。トゲトゲハムシ類のような
極少数を除くと基本的にのっぺりした形状ばかりのハムシの中では極めて特異な珍奇種です。
日陰のクチナシを探すと、葉表を「-」状に齧ったチャイロヒラタカメノコの食痕が見つかります。
その葉一枚の上にチョコンと留まる本種を発見。
大食漢で、食痕は多いのにこれでも1~2頭分なんですよ@@
エリトラ後部に一対の山形の大きなトゲがあり、摘まむ際に指の平がちょっと痛いと感じることが
あります。拡大するとジオラマに巨大な山がそびえ立っている様に見えませんか^^
梅雨期の今は雨粒を避けるため葉裏に居る場合も多いです。食痕は多数あるのに何故居ないのだろうと
いう場合は大抵葉裏に居ます。下の写真は葉を透かして左に何か影が見えますよね。
これを裏返すと・・・
さて、このチャイロヒラタカメノコハムシ、基本的に少ないタイプのハムシでそう多くは採れません。
夏に短期間遠征に来る採集者の場合だと、探すのに時間が掛ることもあり数頭採れれば御の字でしょう。
もちろん奄美に住む僕の場合はそれなりの数を採るのですが、面白いことに虫の発生が極端に悪い
今年の奄美において例年に近い程度には居るようです。
例えば今年の他のハムシだと、樹上性ヨモギハムシは2頭のみ、アマミカバイロハムシに至ってはゼロ!
といった極めて不調の中でちょっと面白い現象だなと感じます。
ちなみにハムシではありませんが、同じくクチナシをホストとするイワカワシジミ(今の時期は幼虫)も
全くと言って良いほど採れない散々な状態の中で、チャイロヒラタカメノコだけはそこそこ採れるのは
不思議な気がします。
例年の如く伐採地は無いし極端に虫が少ない今年の梅雨期の奄美で、「採れたな」と感じる数少ない虫の
一つが本種です。
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