闇夜の九州脊梁山地に現れたステルス戦闘機(2012.11.22) | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

闇夜の九州脊梁山地に現れたステルス戦闘機(2012.11.22)

今夏、ヨシノキシタバ等のカトカラや南方の遇産蛾を狙って、九州脊梁山地の高標高地点で
何度かナイターを行いました。

そこは熊本県でも標高1、500メートル近くまで車で上れる林道で、九州でも多くの高山性の
珍種昆虫を産する所です。

もちろんこの場所はブナ帯の一画なのですが、それにも拘らず数年前はオオルリオビクチバや
キマエコノハ等の南方系大型遇産蛾が乱舞して狂喜した夜がありました。

今年は残念ながらそうした光景は見られなかったのですが、その代わりステルス戦闘機(^^)が
現れたのでご紹介します。

ツキワクチバです^^

全くスレの無い美しい個体ですね。翅の縁毛も全て生え揃っており羽化直後なのでしょう^^
コレクションする場合、蛾は蝶以上に新鮮でなければならないので(翅の傷が目立つため)、
数は採れても美しい標本を残すのが結構難しいんですよ。

僕が中学生の頃は九州でも記録が少ない珍種だった本種も、温暖化が進んだ現在は本州でも
比較的目にする種類となってきたようです。

ちなみに僕は中学生の頃、地元の蛾屋さんに付いて二年程は蛾を専門に採っていた時期が
あります^^

さて、地面に留まったツキワクチバを見ていると、不意にパッと上翅を開きました。
すると名前の由来となった後翅の月輪状の綺麗な白紋が現れました。

ビジュアル的にもなかなかシブい良い蛾でしょ^^
言うまでもなく、この白紋は外敵に対する威嚇手段として機能しているわけです。

折角なので、同夜に現れた比較的珍しい幾つかの蛾もご紹介しておきます。

まずは、これも最近では各地で見られるようになった「準」遇産蛾のネジロフトクチバ。
かつては幻の蛾で、中学生の頃は図鑑を見てため息を漏らしていた種類です。
これもまあまあ新鮮な美個体ですね。

九州では珍種のヒメクチバスズメ。

スズメガにもカッコ良く人気の高い種類がいろいろと居ますね。
東京在住の頃は、本州各地の高原で多くのイブキスズメの幼虫を採って飼育したものでした。
アッ、今年キョウチクトウスズメの幼虫を採りに行くの忘れた!

これは本州でも比較的採り難い美しい珍種のシロフアオヨトウ。九州産は緑味が強くなります。
本州産とは別種なのかも。

こうしたシブい蛾達の標本の集合美はとても見事ですよ。 蝶には出せない奥深さがあります^^
僕自身、今では他の虫に忙しく蛾にほとんど手を下せない状況になっているのが残念でなりません。

やることがないとボヤいている蝶屋さんなんかが移行する対象としては打って付けだと思いますよ^^
日本産の蛾は既知種だけでも1万種近くも居ますから。

蝶と違い、幾ら採ったって文句言う人なんて誰もいません^^

全種類をコレクションの対象とする必要もありません(やろうとしても不可能です^^)。
好きなものを好きなだけ摘み食いすれば良いんです^^

尽きることのない蛾の世界、あなたも是非いかがですか?

もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。

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