一応、ナガサキアゲハも春型♀のために(2020.11.1)
ナガサキアゲハ・・・
近年はツマグロヒョウモンやムラサキツバメ同様、本州の北方面にも進出して普通種然として
扱われています。
もちろん普通種は普通種なのですが、本種(♀のみ)の場合は「良い」普通種と言え
(感想には個人差在り^^)、僕の場合は採集・コレクション対象カテゴリーとなっています。
僕が子供の頃は本種の北限は中国地方・四国辺りで、熊本県で暮らしていた僕は蝶少年として
本種を採るのが日課となっていました。当時の小学校の植物園は鬱蒼としており子供にとっては
ジャングルの様で、朝に行ってみるとほぼ確実に本種が数匹留まっている一画がありました。
また当時の街中は現代のような「小綺麗さ」に乏しく、各所に成虫の吸密源の在る野原はあるし、
家々の庭も煩雑で柑橘類も多く本種が盛んに産卵に訪れていました。少年には「巨大過ぎる」
本種の幼虫を飼育して遊んだのも良い思い出です。
当時は身の回りに幾らでも居たナガサキアゲハですが、時代の変遷の中で街並みは小奇麗になり、
本種はすっかり消えてしまっています。
国内種群における♀の変異の面白味はほぼありませんが、東南アジアにおけるそれは凄まじく、
特にインドネシア・スマトラ島周辺の変異は素晴らしく感じます(このヘンは本旨と外れるので割愛)。
ただ国内でも沖縄本島周辺の♀はとても白化しており個体によってはコレクション欲をソソられます。
実は奄美産の♀も沖縄とまではいかなくても結構白化傾向があるので幾つかは持っておきたいものと
なっています。有尾型がたまに採れるのも奄美の魅力ですね。
現在、最終化の成虫をミカン畑の周りで見ることが出来ますが、時期的に既にボロばかりです。
白化度合いを見るため一応ネットしてみた♀。
まあまあイイっしょ^^
大型過ぎる夏型は採集していませんが、奄美産の春型♀を一つ二つ得るために幾つか幼虫を飼育する
ことにしました。母蝶から採卵するのは手間が掛かるし大量にはいらないのでルッキングで幼虫を
探します。
環境整備に熱心ではない(^^)農家のミカン畑の周辺(林縁に接した辺り)はジャングルの一部のようで、
安易に近づけるしゆっくり探せます。柵で囲った綺麗なミカン畑には入り難いからね。
これは10日ほど前に見つけた初齢幼虫。新芽は無い時期なので孵化した直後からこうした堅い葉を
食わされる世代です。だから春型は小さいんですね(全ての多化性アゲハが同様)。
4齢(亜終齢)幼虫。エナメル質感が強いですね。
少数精鋭なのでこんな簡易飼育ケースで飼っています。特徴ある終齢幼虫が3頭見えます。
今秋の飼育のメインはシロウラナミシジミですが、合間にこんなものも楽しんでいます。
確実に♀を羽化させるため、あと数匹は幼虫探しをしておこう。
もっと詳しく知りたい事や
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