イッシキキモンカミキリ新成虫を割り出す(2024.6.23) | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

イッシキキモンカミキリ新成虫を割り出す(2024.6.23)

イッシキキモンカミキリの幼虫が食害しているヌルデ立ち枯れを見つけました。
本種は成虫と幼虫が異なる植物をホストとするサペルディーニで、成虫がクワの葉を後食するのに対し
幼虫はヌルデ衰弱木の樹皮下を食害します。

イッシキ♀が産卵に来るヌルデは完全に枯れていてはダメで、衰弱して「枯れ」が進行中の樹皮が
未だしっかりと付着している木が選ばれます。幼虫が老熟する頃にはヌルデの葉は全て枯れ落ち、
樹皮も一部が剥がれて樹皮下の食痕を確認し易い状態になります。

未だ付着していた樹皮をベリッと剥がしたところ。甚だしい食痕が見えますがイッシキ幼虫の食痕は
中央の太い部分のみで、殆どは同様の食害様式を持つヨツキボシカミキリのものです。ちなみに
ヨツキボシの成虫はヌルデの葉を齧るので、成虫・幼虫いずれも同植物を食すサペルディーニとなります。

糞塊部分を取り去ると幼虫が材部に食入した跡が現れます。食入孔は木屑で塞がれており、これは
サペルディーニ共通の特徴です。

ではこの周辺をナタで削ってみましょう。この状態のヌルデはとても堅く削り難いのですが、中の虫を
傷付けないよう慎重に行います。

すると・・・
蛹室の中で羽化したイッシキキモンの新成虫(♂)が現れました。
独特の鮮明な真黄色の斑紋は未だ色付く前の状態ですね。


イッシキキモンのホストはヌルデと知られているし、♀が衰弱木に産卵しているシーン写真はよく見ます。
でも、こうして実際に材中の本種にまで迫った写真等はまず見ませんよね。
ここが当ブログの良いところ ← CM

他にも蛹室を作成中の老熟幼虫や蛹も確認しましたが、材があまりにも堅いためいずれも潰して
しまいました。丁寧さをちょっと欠いてしまいましたね。
ここが悪いところ ← (´;ω;`) 

なおイッシキ♀が産卵に訪れるようなヌルデ衰弱木には同時にマダラアシゾウムシがよく見られます。

ヌルデ樹皮下に写真のような多量の大袈裟な食痕を見ることが有りますが、これが当ゾウムシの食痕。
イッシキキモン幼虫の食痕と間違える人が多いのでご注意。

イッシキキモン成虫の活動期は主に7月ですが、早いものでは6月、生き残りや産卵している♀は8月
(本州では9月の記録もあったと記憶)にも見られ結構活動期は長いカミキリです。一般に活動期が短い
サペルディーニの中では珍しいパターンですね。
今回は材中で新成虫に加え蛹、更には蛹室作成前の老熟幼虫まで見れたことから、これらが順次野外に
現れるため活動期は長いんだなと確認出来て有意義でした。

九州(大分・熊本・宮崎)でのポイントはそれぞれ広くありませんが、あまりにも美しく採るのが楽しい
種類なので息の長い採集をこれからも堪能したいと思います^^

もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。

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