晩春の阿蘇のオオルリシジミ(2012.5.18)
今年のオオルリシジミの発生状況を見るために阿蘇に出かけてきました。
新鮮な個体を見るなら10日程遅いタイミングですが、生き残りの個体数や卵の数等の様子で
推し測ることができるでしょう。
場所は僕が知っている産地の中で最も個体数が多いポイントにしました。
ここは熊本に帰郷した4年前、極めて多くの個体数が見られた場所です。
ただ、その翌年は一転して発生数が相当減っていました。それ以降は行っていないので
どうなっているか大変気になるところです。
現地は快晴で朝から気温が上がっています。朝露も全く降りていないので気持ちよく草原の中に
入っていけます。
写真はクララと共に見下ろす阿蘇のカルデラの家並みです^^
クララの周りを歩きまわれば多くの成虫が飛び立つはず・・・
なのですが、驚いたことになんと1頭も飛び出しません。
「こりゃ完全に終わったかな」
「いや、まだ20日前だ。生き残りの♀は絶対にいるはずだ」
この草原には夥しい数のクララの株があるのですが、30分ほど縦横無尽に歩き回っても
何も出て来ないのです。
「では卵はどうだろう」と無心に花穂を調べますが、なんと卵も見つかりません。
やがて、やっと卵が見つかりました。
慣れてくると他にも見つかるのですが、極めて数が少なく2卵以上付いた花穂はありませんでした。
4年前の感覚ではベタベタ付いていなければならないハズなのに。
そうしているうちに、ようやく飛翔するオオルリシジミが目に入りました。
ホッと胸を撫で下ろします。
それ以降も飛んでいる個体が見られるようになりましたが、ホントに「たまーに」という感じ。
やっと撮れた写真です。
花穂に産卵している♀がいました。本当ならこんな風景がそこここに見られるはずなんですが。
結構小さな花穂に腹部を沈み込ませるように生んでいますね。
阿蘇のオオルリはいつ行ってもたくさん居るように言われますが、現実は決してそうではありません。
やはり他の虫と同様に多い時、少ない時のサイクルがあるわけです。
いつかここでもまた多くのオオルリが飛んでいるのを見たいものです。
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