ルリクワガタ、キュウシュウニセコルリクワガタの産卵マーク(2013.10.25)
九州中部のルリクワガタ属にはルリクワ(タダルリ)およびキュウシュウニセコルリの二種が居ます。
昔住んでいた東京近郊におけるこれらの産地と言えば、山梨県北部の某峠が思い浮かびます。
其処にはタダルリ、トウカイコルリ、そしてホソツヤルリの3種が生息しており、個体数もそこそこ
多かったので秋~冬の週末にはしょっちゅう越冬成虫の削出採集に通っていました^^
これらのルリクワは基本的に高標高にしか分布しておらず、大まかに言えば最低でも本州で
8百メートル、九州では千メートル程度の標高を必要とします。
九州ではさらに、個体数が少ないしピンポイントとなるので採集には困難を極めます。
それに比較的多産していたポイントにおいても近年は極端に個体数が減ってきています。
あれほどポンポン採れていた関東の某峠でも東京を離れる頃はほとんど採れなくなっていたので
これは全国的な傾向なのでしょう。
採り難さへの恨み節はこのくらいにして、今日は九州の二種の産卵マークの違いについてです。
産卵マークはルリクワ属の採集および生息確認には欠かすことが出来ないもので、種類の識別にも
重要になってきます。
はっきり言えば虫の大きさによって産卵マークの大きさも異なり、虫体がより大きいタダルリの方が
キュウシュウニセコルリのそれよりもかなり大きいです。
これがタダルリの産卵マーク。
地面から浮き上がった大径の朽木に産卵されるケースが多く、この木も直径50センチはありましたね。
この産卵傾向は本州産と同様です。
そしてこれがニセコルリの産卵マーク。
地面に落ちた湿気のある小枝に付けられるケースが殆どです。
強いて言えばこの産卵習性はホソツヤルリに似ていますね。
そして大きさの違いに加えて、形状にも概ね次のような相違点があります。
すなわち、タダルリが単純な「( )」であるのに対し、ニセコルリは「(・)」というようにカッコの中心に
点が加わる場合が殆どであるということです。
珍しいケースとして、同所に二種が産み付けている場面に遭遇することがあります。
こうして見ると違いがよく分かりますね^^
こんな良い木、九州では滅多にありませんが。
大きさ、形状、そして朽木の状態を総合的に勘案すれば、どちらの種類が分布しているのかを
知ることが出来るわけですね^^
しかし九州では採り難くなったなあ・・・
もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。