屋久島産ヨコヤマヨツスジハナと九州産ヨツスジハナの相違(2013.11.21)
標本を整理していると、普通種でも今更ながら色々な気付きがありますね。
やっぱり虫ってのは手に取ってよく見ないと何も語れないんだなと改めて認識している昨今であります。
で、丁度今見ていたのがカミキリ普通種の代名詞たる「ヨツスジハナカミキリ」。
本州なら夏に山へ行けばノリウツギに幾らでも見られるヤツです。
でも九州となると、普通種とは言えど虫の数が全般的に少なくなるので本州程は居ないんですよ。
しかも四国産と合わせて別亜種となるのでちょっとは摘みたくなるんですよねえ。
屋久島産もヨコヤマヨツスジハナという別亜種として知られていますが、屋久島においてもやはり
これは普通種で花で採れる虫としての数はダントツです。
ただリョウブの花が咲かない年はこれさえも殆ど採れないという過酷な採集になってしまうわけでは
ありますが。
今日お話したいのは、この両者間の目視的な相違点です。
噂で屋久島亜種が消されて四国九州亜種と同じ扱いになったと聞いたことがあるのですが本当でしょうか。
(詳細をご存知の方は是非教えて下さい)
ホントに差異は無いのかな、と思い両者を並べて撮ったのが下の写真です。
まず♂の比較から。左が屋久島産、右が熊本産です。
総じて屋久島亜種の方がかなり小さいのですが、最もはっきりとした違いは後脚ケイ節下部の
膨らみ方です。
四国九州亜種は本州産と同様、ブクッと不自然に太くなるのに対し、屋久島亜種はほぼ自然に
裾広がり的に太くなっていきます。
♀の相違点も大きいですね。
エリトラの形状の違いは♂では殆ど感じられませんが、♀は四国九州亜種が本州産と同様に
ほぼ箱型的に細くなって行くのに対し、屋久島亜種は極端に丸みを帯びながら細くなります。
また四国九州亜種の体高がかなり高い印象も受け、体型だけならむしろ亜種以上の違いがあるような
気さえしてきます。
まあ僕は分類の専門家でも何でもないので交尾器等の他の材料からは語れませんが、生態等も
含めるとやはり同一亜種とは思えないのです。
特に♂ケイ節の膨らみは本種の分類の上からは特段に重要視すべきポイントであり、これを無視した
分類というのはちょっとセンスを疑いたくなります。
屋久島亜種が消されたというのは噂であって欲しいのですけど・・・
もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。


