クワゾウムシも、まだまだ健在^^(2014.7.10)
沖縄では50年に一度、あるいは7月では最大級といった冠を施される大型台風8号が通過中の
九州地方です。
この台風は意外と歩みが遅く現在九州を横断しながら東へ向かっていますが、採集家としても
早く日本列島から立ち去って貰いたいものです。
当時のメルマガでも詳しく触れたように、昨年・一昨年のヤクネキは7月最上旬が最適期でした。
よって、それなりの人数の採集者が「柳の下」を求めて既に屋久入りしているはず。
今年の7月は最初から梅雨前線が活発な上、ここに来て大型台風の通過。
さて、現場の情況はどうなっているでしょうか・・・
まあそれは良いとして、前回のトラフカミキリ調査記事には入れられなかったクワゾウムシにも
触れておきます。
本種は実質的にクワが無いとなかなか得られないゾウムシで、トラフカミキリと同様にクワの木が
どんどん切られてなくなる中で採集が困難になることが予想されます。
ただ今年は例年以上に発生が良く、太目の木からは高確率で本種を見出すことが出来ました^^
下の写真は、幹の上下にクワゾウムシ二組の交尾が見られます。
本種も発生が遅れ気味のようで、ほぼ全てがキズや汚れの無い美しい個体でした^^
トラフカミキリと共にいつまでも目を楽しませて欲しいものですが・・・
これは幹に留まっていたキボシカミキリ関西型。
明らかに関東型とは異なるたたずまいを持つ一型ですが、屋久島亜種(クロキボシ)と比較するため
いくつか摘まんでおきました^^
九州中部あたりから九州南部・大隅半島等を経て、屋久島(種子島)に至る虫達の変異の
流れを見るのは本当に面白いんですよ^^
九州にも虫屋は多いのですが、他にこんなことが出来ている人はほぼ居ないんじゃないかと思います。
また、幹に枯死部のあるクワから一昨年以来のアヤオビハナノミが採れました。
本種は九州山地ではたまに採れるものの基本的に稀な大型オビハナノミです。
驚くのは此処が全くの平地であることで、宅地化が進むまでは如何に良好な環境を保っていたかが
窺い知れます。
最良の採集地が失われようとしている現状、真に痛恨の極みです・・・
(参考)
アヤオビハナノミの産卵の様子
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