少ないオビレカミキリ、地理的変異にも注目(2014.8.16)
日本一、長っ細いことで著名なオビレカミキリ。
有名な種類ではありますが、その割には採ったことが無いというカミキリ屋さんは結構多いのでは?
一般的にはあまり多い種類ではなく、図鑑には各種植物の枯れ枝のビーティングで採れるとサラッと
書いてありますが、まず滅多には落ちてきません。
実際は特殊な環境、特殊な時期、そして特殊なホストが本種を採り難くしていると思います。
九州~八重山に至る広範囲な分布域を持っていますが、僕が採ったのは石垣・西表、奄美、そして
屋久島の四島のみです。
今年の4~5月に八重山そして7月に屋久島と、ある意味分布域の両端で採集しちょっと違和感を
覚えたのでそれぞれを比較してみましょう。
まず石垣産。
角張って強権そうなエリトラ、翅端のクッキリした二重紋が印象的です。
蛇足ですがコゲチャサビ(ニセコゲチャサビもそう)やアトモンチビ等のように、後脚を踏ん張って
前のめりに静止するのも面白いでしょ^^
次いで屋久島産。
エリトラがちょっと丸っこく、全体的に優しい感じを受けますね。
特に尾端の紋が、そして前胸やエリトラの一対の紋も八重山産と比べると相違しています。
オビレカミキリは大小の個体変異が大きく、両極端の個体を比べると同一地域産でも異なる印象を
持つことがあるので一概には言えませんが、やはり八重山産と屋久島産は雰囲気が違うと思います。
僕も本種に関してはまだ材料が少ないので、他の島も含めてもう少しサンプルを集めてみようと
考えています。
他に類似したものが全く無く、いずれにしてもオリジナリティ溢れる良い種類です^^
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