荘厳な、屋久島高地の闇夜に出現するヤクマルバネコブヒゲカミキリ(2016.8.5) | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

荘厳な、屋久島高地の闇夜に出現するヤクマルバネコブヒゲカミキリ(2016.8.5)

今年の屋久島は盛夏に出現する虫を狙って7月一杯まで滞在しました。
照準を合わせた一つがヤクマルバネコブヒゲカミキリ。

本種は本土域のマルバネコブヒゲカミキリの親戚とも言える存在ですが、屋久島の高地にしか
生息していません。
出現が遅く、本土からの採集人が集うヤクシマホソコバネカミキリ(ヤクネキ)の時期には
やや早いため、本種を成虫で採集したことのある方は極めて少ないと思います。
僕もかつて冬に行った材採集で僅かに羽脱させたことがあるのみで、夏の屋久島には近年
足繁く通っているものの成虫で狙ったのは実は初めてでした。

それで実際に行ってみるとこれが極めて厳しい!
屋久島の高地というのはヤクスギやツガのとてつもない大木が散在、苔むした各種木々の樹肌、
昼なお静粛な雰囲気が漂う場所で、夜となるとその荘厳さがさらに増します。
そうした重々しい雰囲気の中でライトを照らして探すのですが、さっぱり見つからない・・・

1時間ほど探してやっと見つけた最初のヤクマルバネコブヒゲ♂

もうね、感覚的には全然居ないじゃん、の範疇と言って良く1~2時間にやっと1頭が見つかる
という感覚。
副産物としては高地性のゴミムシダマシ等が極少数見つかる程度。
真夏とは言え屋久島高地での採集というのはとても厳しいものなのです。

別の♂。

今年はネキ類等の発生状況から見ても季節が1週間程度進んでいると思われ、その結果本種や
先に紹介したヤクシマチャイロヒゲビロウドカミキリを7月中でもなんとか得られたのかな、とも
考えられます(もちろん両種とも極少数しか得られませんでした)。
それに今年はヒルが極めて多く、ヤクネキを狙って来ていた知人の多くがこれにやられていたので
林内探索にもちょっと腰が引けていたかなあと反省もしきり(ヒルには僕もやられました(泣))。

屋久島にはこれらの盛夏~晩夏性の珍種や秋が本番のヤクシマコブヤハズといった大物が居り、
「ネキが採れるかも・・・」と7月中旬の海の日あたりに数日訪れる程度ではなんともならない。
実に採集者泣かせのややこしい島なのであります^^

なお、本日メルマガ「南虫ニュース」45号(今季の波照間~西表島編)を配信しました。
さらに数日中に46号(奄美大島~屋久島・南大隅編)も配信しますので、併せてお楽しみに^^
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