今年も盛況の九州虫屋連絡会(2016.11.30)
先週末の11月26~27日、いつもの大分県九重高原にある湯坪温泉郷で九州虫屋連絡会が
開催されました。
今回は運悪く大阪での甲虫学会総会とバッティングしたため参加者がちょっと減ってしまった感が
ありましたが、それでも新規参加者を含む35名ほどが集い盛況となりました^^
僕は二人のカミキリ屋さんと前日から現地入りしてカミキリの材採集を行うことになっていたため
25日の午前から出発。
まずは阿蘇くまもと空港で東京のナポキ氏をピックアップします。
そして彼のリクエストでもあるムモンベニカミキリのポイントへ向かいました。
ここは当ブログでも紹介した、昨年久方ぶり(たぶん二~三十数年ぶり^^)に九州でムモンベニが採れた
ポイントですが、さんざん探したにも拘らず全く見つかりません。古い痕跡すら無い状況@@
昨年発見した時にも古い食痕はほぼ皆無でしたからこれはまあ理解出来ます。
さすがに遺伝子が全消滅するには相当時間が掛るでしょうから、去年体験したようにある時ヒョッコッと
極少数がどこかに現れるケースは今後もあるのかもしれません。
この後は最も有名だったかつてのムモンベニの多産地を調査しましたが、ここも従来通り音沙汰無し。
僕は以前にさんざん採ったし近年の状況もよく知っていたので特に無念さはありませんが、ムモンベニの
大量採集が既に過去のものとなった現実を二年連続で垣間見たナポキ氏の落胆はいかがなものか。
九州以外の虫屋さんの中には、未だに九州へ行けばムモンベニが山ほど採れると思い込んでいる人が
多いんじゃないかしら。
ある意味彼には東京のカミキリ屋を代表して最近のこっちの状況を見てもらっていると僕は思っていて、
実態を仲間内で広めてもらい、遠くの虫屋さんにも本当のところが伝わっていけばよいと思っています。
そしてカシワ林を離れ、九重山の山腹へと移動します。
既に陽が傾き林内はかなり見通しが悪いので、明日の下見をした程度で宿に入ることにしました。
九州虫屋連絡会会場となるこの宿で、鹿児島県のカミキリ幼虫の大家と合流し夜は前哨戦。
三人とも旧知の間柄でもあり、幼虫も含めたカミキリ談義に大いに花が咲きました^^
明けて26日、この日も朝から採集日和となり、当初の予報より気温も高めで楽しくカミキリの材採集等が
出来ました。
ただ僕は来シーズンまでは南西諸島への長期遠征を抱えているので材そのものの採集は出来ません。
世話が出来ないからね^^
よってほぼ観察・散策に終始したのですが、せっかく此処にはフクチセダカコブヤハズカミキリが居るので
幼虫を少し採っていくことにしました。
はい、樹皮下からすぐに出てきたフクチセダカコブの幼虫。
九州のセダカコブ(特にソボコブ亜種の九州山地以南型の黒い一群^^)は再来年からちょっと
やり込もうかなと思っているので良い手慣らしになったかな。
採集を午後3時頃に切り上げて宿に戻ると、既にパラパラと参加者が集まっています。
夕刻までには我々同様に採集を終えた皆が揃って、30分の話題提供が始まります。
今回は石垣島に最近まで数年住んでいた虫屋さんによる幾つかの種類の生態に関する所見や、
最近の石垣島をめぐる採集規制の実態についての話がありました。
ここ数年は石垣島で活躍している僕には合点の行く話ばかりでした^^
全員での記念撮影の後は楽しい酒盛りが始まります。
当然のことながら、一人一話に大いにチャチャが入り席は盛り上がりました^^
そしてメインイベントのオークション。
今回はいつもここでリキを入れるコレクターが数人欠けていたのでいつもよりはちょっと大人しい
感じだったかな。
出品された内容も個人的にはちょっと例年よりアツくなれなかった部分もあり、ある意味幸運にも
散財を免れた感も。そして自らの出品で今年も参加費や諸経費を全て賄え、有意義ではありました^^
皆さんお酒も深く入っているし採集疲れの人も居るので大体は日付けが変わるころには就寝された
ようです(学生を中心とした大部屋のザコ寝グループを除く)。じーさん虫屋も多いしね。
同室には来年には出る予定?のコブヤハズ図説の執筆者の御一人も加わり(この方も旧知)、
コブ談義も大いに盛り上がったなあ。
翌日の日曜日は残念ながら朝から強目の雨。
せっかく来たので小雨なら強硬採集を、と思っていた人もこれでは玉砕。
ゆっくり朝飯を摂り昼頃まで再び虫談義を重ねます。
そして話疲れた人から三々五々去っていき、気付くと何と僕らは最後の出立組となっていました。
九州の虫屋の皆さん、また来年のこの時期、あの宿でお会いしましょう^^
もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。