ノブオフトカミキリ、ウスイロフトカミキリの材採集(2017.3.21) | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

ノブオフトカミキリ、ウスイロフトカミキリの材採集(2017.3.21)

「春の嵐」とはまさに八重山のためにある言葉でしょうか。もう慣れっこですが夜半からまたもやの
暴風雨となりました。
雨は一段落したものの何時また本降りになるか分からないので今日も出撃は望み薄です。
数時間でも採集に出れたという意味では一勝一敗程度。一勝二敗以下の昨年よりは良いものの、
あまり記憶の無い虫の居ない与那国を体験しています。

与那国島に来て二度目の採集日和となった昨日は、ノブオおよびウスイロの二種の与那国特産
フトカミキリの材採集を行ってみました。

昨年も感じていましたが、二年前に与那国を直撃した台風の影響は未だに色濃く、これらの生息する林は
甚大な強風でなぎ倒されたり枯れ込んだ木々が多く見られます。
そのせいか二種のフトカミキリの幼虫が入った材はこれまでで最も探し難い状況となっていました。
併せて虫の発生数自体も少なく感じました。

林が痛んだせいか歩き易かった林床には小潅木やサルカケミカン、サルトリイバラなどのイバラ類が
繁茂してなかなか奥へ進めません。
昨年までの羽脱標本は後先考えず放出していたけど、虫の少なさと併せてここまで苦労が多いと
今年のものはおいそれと手放せないなあ。

ノブオフトは材採集では探し難く例年少ないのですが、特に今年は時間が掛かりました。
やっと出てきた中齢幼虫。

本種は基本的に生きているシイの半枯れ部分に食入するので切り落とした枝が完全に枯れると生存率が
極めて悪化します。これもたぶんダメ・・・かな。

と思っていると、今度は蛹が現れました。
 

本種の早い奴は4月中旬には野外に出るので、今頃探すと前蛹や蛹もよく出てきます。
ただ、特に蛹だと傷付き易く死亡する確率が高くなるため、嬉しくはあるものの逆に溜息を付きたくなる
側面もあるのです。ハンドリングもメンドイしね。

 

そして、これも苦戦しているウスイロフト。
僕はかなり得意にしている種類なのでタカを括りながら探したのですが、意外になかなか見つからず
相当焦りました。

そして、先端部が仰々しい木屑で詰められた枯れ枝が見つかりました。
「やっとあったか・・・」

その部分を少し切り取ると、フトカミキリ類の幼虫特有の何も詰めていない坑道が現れます。

さらに割り込むと・・・
じゃーん、ウスイロフト幼虫の登場。


 
一応終齢のようですが、小型の♂になりそうな体形です。
ウスイロフトの最大級の♀は全てのフトカミキリの中で最も巨大なので、大型♀の終齢幼虫が出てくると
「おおーっ」と歓喜の声を挙げてしまうのですが、今回は未だそうした場面に出くわしません。
ノブオフトと同様に、ウスイロフトも不作というのは間違いないようです。
マイコレ分だけはしっかり採っとかなきゃなあ。

次回から与那国のフトカミキリ類は採り易い成虫採集に切り替えようと考えています。

もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。

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