熊本のソボセダカコブカミキリ・・・クロコブ^^(2012.10.15)
九州中部辺りを北限とするセダカコブヤハズカミキリの亜種(ソボセダカコブ)のうち、熊本の脊梁山地
までの「黒い」タイプのグループは、いわゆる「クロコブ」として知られます。
日本全国のすべてのコブヤハズ類が褐色~灰色系である中で、唯一、ほぼ黒色という特異な体色を
持っています。
多くの亜種、系統に分かれるセダカコブの中で、最も南に産するグループとしても人気が高いです。
屋久島との関係が深いと指摘される大隅半島などにも居て、分布的にも面白いですね。
この10月、カエデ枯葉のビーティングで落ちたクロコブ♂。
これはまあまあ大きいな^^
今度は極小♂が落ちました。
それでもピンと張った長い触角がカッコイイです^^
これも小さいなあ。
白紋は綺麗だけど。
これは中型の♀。
秋の新成虫はこのように触角や脚の色がまだ赤っぽいテネラル個体も多いんですよ。
さて、このクロコブ、私のホームグラウンドたる九州脊梁山地に広く分布はするのですが、
生息地のブナ帯が薄いため個体数は非常に少ないのです。
ブナやサワグルミ等の太径の倒木樹皮下で幼虫が生育するため、台風や土砂崩れ等でそうした
巨木がバタバタと倒れたりすると、その後数年はその近辺でかなりの数が見られることがあります^^
でも、そんな好条件に遭遇するのは極めて希。
恐らく一生に一、二度といったところでしょう。
近年、地元の採り易いポイントではそうした新しい倒木が少なく、採集し難い状況が続いています。
巨大♂が採れる確率も極めて低くなりましたね。
さらに、幼虫を採る目的でそうした貴重な倒木の樹皮を剥がす人がいるのも困りものです。
例えば、ハンノキカミキリのようにホストが無尽蔵にあり、ポイントをちょっと外せば別の繁殖域が
容易に見つかる種類とは違うんですね。
なので発生木の樹皮を剥がすのだけは止めて欲しいですね^^
熊本南部~鹿児島大隅半島にかけてのクロコブにはなかなか時間が割けず、これらの地域に
着手するのは対馬亜種やヤクコブ、そして累代も含めて数年後からになりそうです。
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