数年振りの地元産リンゴカミキリ幼虫の材採集(2018.2.20)
2月も下旬に入り、九州低地は寒さが和らぐ日もチラホラ出てきました。
「春」までもうちょっと。確実に今シーズンが近付く足音が聞こえます^^
今日は半日ほど空いたので、5~6年振りの地元(熊本低地)産リンゴカミキリの材採集を
行ってきました。
一般には低地性普通種のイメージが強い本種ですが、昔はあちこちで見かけたものの最近は
いざ探すと「あれ、居ない」といった必ずしもダモノとは言えない存在になって来たように思います。
(東京の一部海岸等のようなホスト植栽による「養殖場(真の産地は不明)」を除く)
ちょっとあちこちを探し回りましたが、運良く割と数が発生している一画を発見。
満足とまではいきませんでしたが、そこそこの数は採ってきました。
問題はホストのソメイヨシノがやや大樹、かつ元気が良いため次第に発生数が減っている
段階のようで、枝数の割には幼虫の数は少なく意外と苦労はしました。
本種に限らず、生木を食うタイプのカミキリはあまり大きな木を好まないのです(これ大事)。
下から見上げた食痕の様子。幾つかの食痕が見えます。
で、老熟幼虫は秋までに1~2年枝の先端部を斜めに切り落とし、荒い木屑で蓋をします。
こんな感じ。
枝を割って幼虫を確認してみます。
この時期はそのまま蛹室となる坑道の中で未だ活発に動いています。
かなり黄色っぽい色合いですね。
取り出した幼虫。
サペルディーニの中でも変わり種(成虫もだが)で、「エイリアン」のような顔付きが特徴的です。
このように春先までは幼虫の活性が高いため、材採集は出来ればサクラの葉や花が目立ち始める
直前が良いです。生木を食うタイプの幼虫の材採集は、可能な限り蛹化の直前を見計らって
行うのがベストです。事情が許せば成虫の羽脱直前が良いのは言うまでもありませんね。
幼虫を枝に戻した後は、しっかりとビニールテープで隙間なく巻いておきます。
水分さえあれば幼虫は長生きしますが、外敵にはいとも簡単にやられるのでこの作業は怠りなく
やりましょう。
久し振りにタダリンゴの標本がたくさん作れそうで、初夏の羽脱が楽しみですねえ^^
(ボクの地元産はカッコいいのだ!)
もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。