渡島前、最後の阿蘇山採集。紅ハンノキ・白イタヤカミキリ(2018.3.3) | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

渡島前、最後の阿蘇山採集。紅ハンノキ・白イタヤカミキリ(2018.3.3)

昨日、阿蘇山周辺へ(紅)ハンニキおよび(白)イタヤの両カミキリの材採集に行って来ました。
先のメルマガで表明した「某島への定住(移住ではない)」まで僅かとなった中、とりあえず最後の
阿蘇山採集です。

冬の阿蘇連山。
大部分が草原に覆われた山々・・・という雰囲気が分かるでしょうか。

カルデラに広がった田舎の家々がパノラマに映えます。
実はこの辺りが僕の終の棲家候補ナンバーワンです^^

さて、まず紅(ベニ)ハンノキカミキリとは何ぞや。
これはもう全国的に有名ですが、ノーマル型のエリトラの黒色部分に赤褐色の様々な文様が発現する
タイプのハンノキカミキリで、東北の一部を除きベニ型となるのは熊本・阿蘇山周辺のみです。

(参考)鮮やかなベニハンノキの例(ペア)。

そして白(シロ)イタヤカミキリとは何か。
実はこれは僕の造語で、阿蘇山周辺には限りませんが西日本の一部のイタヤカミキリの特徴から発案。
一般に東日本のイタヤは地色も帯も茶色っぽいのですが、こちらのイタヤは地色が黒っぽく、帯が
白色、すなわち白帯のコントラストが強いのでこう呼んでいるわけです。シロと言っても全体的に
白いわけではないので念のため。いずれにしても綺麗な上に極めて局所的で価値は高いものです。

さらに価値が高いのが、僕が独自に採っている「極小シロイタヤ」。
樹高1メートルにも満たない細いヤナギで生育する一群で、最小個体の体長は20ミリに遥か及びません。

(参考)極小シロイタヤ(2♂)。スケール目盛りに注意。

僕は阿蘇各地にベニハンノキのポイントを持っていますが、やはり個体数を期待出来る有名な産地を
選びました。知る人ぞ知る、ムナコブハナカミキリのポイントと同所です^^
ただ、ここは三年前の熊本地震でポイントまで上がる車道の一部が未だ崩壊したままなのである程度は
徒歩を必要とします。大宮インセクトフェスティバルに伴う数日間の旅程でとんでもないカロリー・糖質を
摂ったので、その消費にちょうど良いでしょう^^

車止めの看板。ここからポイントまで40分ほど歩きますが、土砂流失や車道の崩落で歩き難い道を
どんどん上ります。



途中で道を直していた工事人に聞くと、車道が全て修復されるのにあと数年を要するとのことで、
暫くはムナコブハナ等の採集はやり難そうですねえ。僕は暫くやる機会が無いので関係ありません^^

ポイントに着くとベニハンノキのホストのヤシャブシを物色しますが、正直今回はあまり食痕が
付いていないようです。ハンノキカミキリはホスト群落の成長とともに発生地を変える習性があり、
最も採り易かった一画では数を減じていました。次回は何時本種の材採集を出来るか分かりませんが、
その際は新たなポイントを探すしかないようです。

生木の材部に穿孔した終齢幼虫の太い食痕、および前蛹となった終齢幼虫。



車に戻り、次のシロイタヤのポイントに向かいます。帰路に寄れるので非常に楽^^
シロイタヤの材採集を最後に行ったのは5年ほど前で、ポイントの状態がかなり変わっていました。
農道の道脇に件の背の低いヤナギが生えていたのですが、元々少なかったヤナギの株が極端に
減っていたのです。

「これも新ポイントを見つける必要あり、か・・・」
極小シロイタヤの材も今回分はなんとか確保出来ましたが、次回からはかなり厳しくなりそうです。

細いヤナギの幹に入り込んだシロイタヤの終齢幼虫の食痕。
貴重な幼虫なので今回は割り出して確認するのは止めました。坑道を壊すとその後死亡する確率が
格段に高まりますので。

(参考)
以前割り出したシロイタヤの終齢幼虫、およびベニハンノキの生態写真。5年前の記事^^

ベニハンノキもシロイタヤも、成虫にしろ材にしろ次は何時採集するチャンスが来るか分かりませんが、
数を採るためには腰を据えて探索する必要性を悟った今回の採集行でした。

もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。

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