奄美大島のオキナワビロウドセセリ飼育中(2019.10.10)
久し振りの「飼育室から」です。
5月の沖縄産オオシロモンセセリ以来の本格的な蝶の飼育となります。
少し前までは多忙過ぎること及びスペースの関係で奄美在住中の飼育関係はほぼ行わないとして
いましたが、先週から再開ししているオークションについて、今期から出品規模・頻度を大幅に
縮小することからそれなりの時間が取れるようになりました。
併せて先日配信したメルマガにも書いたように、「義務感からの虫事」(=なんでも屋となっていた)
を極力減らして本来やりたかった「トキめく採集・コレクション」にこれからは傾注するので空いた
時間は積極的にそうしたものに充てていこうと思います。
南方系大型セセリチョウの飼育は以前からの目標の一つであり、オキナワビロウドセセリ(オキビロ)
は奄美以南に広く居るもののタイミングが合わず初めて行った石垣島で老熟幼虫を数頭採って以来
全く手を出せずにいました。なので約30年振りのオキビロ飼育となるわけです。
オキビロはマメ科のクロヨナの葉をホストとし、若葉が在る時期にしか発生しません。そうした時期は
限られているため、幼虫は相当早く成長し瞬く間に蛹となります。目立つ大袈裟な食痕を残すため
以上を知っていれば簡単に幼虫を確保できます。しかし、葉が柔らかい時期は一瞬だし、南方では
クロヨナは場所によっては多いものの、海岸など分布域が偏っていることから的を絞り難くなかなか良い
タイミングに当たらなかったのです。
八重山等によく行かれる蝶屋さんでも本種に当たったという人は意外に少ないことと思います。
奄美大島はオキビロの北限産地で元々少なく、しかもクロヨナも滅多に無いので全くアテには
していませんでしたが、唯一知っているクロヨナの木を何気無く見ると丁度若葉が茂っていました。
もしや、と思い近付くと・・・「ビーンゴ!」
枝の先端の若葉がオキビロ幼虫にかなり食われているのが分かります^^
引き寄せて確認すると若齢幼虫の古めの巣は多いものの中齢以上の幼虫はあまり居ません。
かなり目立つ部位に巣を作るので産卵数は多くても途中で鳥等の天敵にやられてしまうのでしょう。
せっかく発生中の時期を当てたのに、ああ残念・・・
でも、この木はかなり大きく食痕も結構多かったので時間を掛けて探すとマイコレには十分な
幼虫数を確保出来ました。
基本的に幼虫はこの様に葉を二つに折り曲げてその中に隠れています。透き通った葉を通して
中に居る幼虫の姿が確認出来ますね。
オキビロの終齢幼虫。南方系大型セセリの幼虫はいずれも模様が綺麗で独特の趣きがあります。
(オオシロモン、クロはちょっと違うが)。いずれテツイロビロウドやタイワンアオバ等の幼虫も
たくさん育ててみたいですね。
得意の洗濯物入れカゴによる飼育風景。
風通しも良く、かなり手拭き状態で健康的に多数飼育が出来ます^^
丁度良い時期に見つけたようで、終齢幼虫は次々と蛹化を始めました。
例によって、蛹は白いコナを噴いたような状態で無造作に折り畳んだ葉の中で見つかります。
なんとなく「悪人ヅラ」をしていますね@@
よしよし、イッパイ蛹になーれ^^
唯一知っていたクロヨナに何となく目をやったという偶然の賜物でしたが、思い掛けなく
オキナワビロウドセセリ標本のマイコレ作成の目途が付いたのは幸運でした。
やはり蝶の飼育は楽しいので(大変でもあるが^^)、年内にあと数種の飼育をしたいですね。
もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。