今年も奄美大島から九州虫屋連絡会へ出席(2019.11.26) | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

今年も奄美大島から九州虫屋連絡会へ出席(2019.11.26)

去る11月23~24日、大分県の九重高原:湯坪温泉で開催された第41回九州虫屋連絡会
(九州虫屋の忘年会)へ奄美大島から参加してきました。このパターンは昨年に続き二回目。
奄美から行くのはかなり大変なのですが、そこはまあ、刺激を求めてと言うか惰性でと言うか、
暇だからと言うか、恐らくは九州人の「血」が騒ぐというのが「正解」なのでしょう。

昨年は他に用事もあったことから愛車と共にフェリーで奄美・鹿児島を往復しましたが、それだけで
諭吉さんが7枚も(しかも軽自動車で!)消失するので今回は鹿児島空港へLCC(スカイマーク)で
飛び、安いレンタカーで大分の山奥まで長距離を移動するというテを使いました。

雨の鹿児島空港。此処から南方へ向けて飛び立ったことは何度かあっても、降りたのは生涯初めて。

空港でレンタカーを借り、高速道路でまずは郷里の熊本へ。市内を経て阿蘇方面へ向かいます。
湯坪温泉へ至るには阿蘇地方を通過し、九重山麓(高原)を目指すことになります。
これを採集コースに見立てると結構な道のりとなりますが、今回は各所で採れる虫を紹介しながら
進んでみることにしましょう。
熊本市内から熊本空港の近くを通り過ぎると、阿蘇連山への取り付きの山々が見えてきます。

この辺りから草原性の昆虫達が狙え、ミヤマやサビのナカボソタマムシ類、僕の得意な極小シロイタヤ、
カラフルながらも薄い色合いのレインボーセンチなどが採れます。

草原にはオオウラギンヒョウモンが今でも息付きますが、道沿いではもうほぼ見られません。
それに今は採集禁止だし。

このブログではよく登場する阿蘇連山をカルデラを走りながら南方向から一望した場面。阿蘇はこの
角度からが最も映えますねえ。頂上付近では今は採ることが出来なくなったダイコクコガネがかつては
多産しました。其処へはもう5年は行っていないので今の状況は全く分かりません。噂では熊本地震や
畜産農家の高齢化の影響で牛の放牧自体が無くなったとも聞きますが・・・

風光明媚ながら、疎林がまばらの低標高の草原の山々を前にどう虫を採ってよいのか、自然豊かな
山々が当たり前の本州以北の人達は途方に暮れることでしょうね。関東甲信地方なんて虫がザクザク
採れるけど、僕なんかこんな劣悪な環境で修行してきたんだよねえ。

阿蘇山に近付いた処から撮ったもの。裾野は植林、疎林はまばら、広大な草原が中腹から上を覆って
いるのが判ります。こうした環境でもコツを掴めばヤノトラやイッシキキモン、独特の色合いの
レインボーセンチ、全国的に見れば極珍のクロカメノコハムシ等が見つかります。

上の写真は阿蘇連山をグルッと180度回り込み、反対側(つまり北側)へ出た所からのショット。
右下に小さく白い仏舎利塔が見えますが、そこから少し上が全国的に有名な九州:阿蘇における
ムナコブハナの吹き上げポイント。副産物にベニハンノキ、キュウシュウヌバタマハナ、ソボリンゴ、
唯一九州ではほぼ確実なクロカタビロオサムシ(此処での本種は草原上を滑空する!)なども見られ、
草原ナイターもとても面白し^^

カルデラの阿蘇の町を抜けると今度は九重連山の取り付きの山々が見えてきます。此処からは
阿蘇とはまた一風異なる樹相となってきます。ここから大分の別府に繋がるやまなみハイウェイを
ひたすら走ることになります。

これまでに無かった落葉樹林帯を暫く走ると・・・

視界には高原(原野)の中の広大な草原地帯が広がります。



一帯には点々とカシワの疎林もあり、少なくなったもののハヤシミドリやクロシジミ、キマダラモドキ、
採集禁止となったゴマシジミ、九州でほぼ唯一産地のクロヒカゲモドキのポイントも近くにあります。
此処のカシワ林にはかつて日本で唯一ムモンベニが多産していて一世を風靡しました。
今は昔ですが・・・

草原地帯を抜けると今度は九州では唯一と言えるミズナラの純林が連なります。ハイウェイでは最も
標高の高い地点でもあり、アイノミドリシジミやキュウシュウエゾゼミ、ルリクワ類等のポイントと
なっています。ミズナラとは言っても木は細いし虫の数はとても少ないですね。本州のミズナラ帯の
昆虫相とは全く比べ物になりません。

そうこうしているうちに樹林が消え、高原の中にポッカリと大きな空間が現れます。所々に白い煙が
立ち上り、一帯が温泉郷であるのが判ります。

そのうちの一つが湯坪温泉。近年の九州虫屋連絡会は毎年この場所、同じ温泉宿で開催されます。
前にも書きましたが、毎年同所で行うことがこうした会が長続きする秘訣の一つかもしれないですね。

今回は趣向を変えて、開催地に至るまでの道すがらの様子と、各々の近場で採れる虫達の紹介をして
みました。
数年後に地元へ戻り拠点を構えたら、こうした各所を巡るサービス等も考えてみようと思います^^

もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。

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