令和二年度は熊本産リンゴカミキリの蛹から(2020.4.1) | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

令和二年度は熊本産リンゴカミキリの蛹から(2020.4.1)

今日から令和二年度が始まりますね^^
4月に入りましたが、奄美は先に配信したメルマガ54号にも書いた「秋~冬の嵐もどき」が
長引いており、春物採集の出鼻をくじかれている形となっています。最高気温もやっと20℃を
上回る程度なので意気込んで採集活動に入れるのはもう少し先ですね。
まあ、今春の虫の発生が良いのかそうでないのかはまた別の話ではあるのですが。

さて、埋め草として奄美とは関係の無い話をします。
昨年11月下旬に大分:久住高原で開かれた九州虫屋連絡会に参加した際、暫し寄り道した郷里の
熊本で採った(タダ)リンゴカミキリの終齢幼虫が蛹になっていました。

正面、側面から撮った♂の蛹。一般のカミキリの蛹のイメージからはかなり逸脱していますね。
一般にカミキリの蛹のカラーリングが白いのに対し、やたら黄色みが強くその点でも異様です。


近年はリンゴカミキリの食樹であるサクラ類やウメ類、レッドロビン等の移植が各地で盛んとなり、
本来は各地に固有の変異がごちゃ混ぜになりつつある地域が出ています。
そうした中にあって当産地のリンゴは僕が子供の頃からの形質を保っており、他所からの遺伝子の
混入が無いことに安堵しています。
(参考)昨年11月の材採集場面

実は熊本でも別地域の特徴が現れる個体群が採れている場所が出始めており、標本を比べてみると
本来の形質の残る当ポイント産とは相容れません。次オフ以降になると思いますが、そうした事実も
写真を使って紹介していきたいと思います。

採集時に誤って採ってしまった若齢幼虫はやはり、生枝が枯れるに伴って萎縮し死亡しました。
ただ、終齢幼虫については11月頃に採っても安全に蛹への変態が進むことが分かり有益でした。
(これまでは枝を枯らさないように出来るだけ春が近付いてから採るようにしていた)
自然状態において翌年に羽脱する終齢幼虫が何時頃に摂食を止めて蛹化の準備に入るのか、少し
興味のあるところです。

奥が♂、手前が♀の蛹

鹿児島南部と屋久島にはサツマリンゴという極めて近似の別種が居ることになっており、それに
最も近い熊本(宮崎)周辺のリンゴには興味をそそられます。
そうしたこともあってか、標本の余品が出来るとことごとく無くなってしまい近年はマイコレですら
確保し難い状況が続いています。

今回は材採集の時間が無くあまり多くを確保出来ませんでしたが、半タトウ程度の標本は出来るかな。

もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。

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