アオバセセリ、スミナガシの幼虫。飼育開始(2021.5.13) | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

アオバセセリ、スミナガシの幼虫。飼育開始(2021.5.13)

奄美は沖縄と共に5月に入るといきなり梅雨入りしました。沖縄方面の遠征からの帰着後数日は
採集出来ましたが、この3日は終日雨の自宅待機となっています。
おかげで遠征中に採った虫を中心に、貯まった甲虫類の展足はほぼ完了しそう。
体も休まるし恵みの雨です^^

さて、これまでのところ今季はカミキリをはじめ甲虫類の発生が極度に悪いので蝶に目が行く
機会が多くなっています。
この時期、林縁のヤンバルアワブキ幼木に見られるのが以下の2種の幼虫。

ヤンバルアワブキの幼木を注意深く眺めていくと、葉を袋状に綴ったアオバセセリ幼虫の独特の
巣が見つかります。本土でも同様の巣がアワブキで見つかるのでとても有名ですね。
これは若齢幼虫の巣です。

さて問題です。葉柄の先端に茶枯れた葉が見えますが、これは何でしょう?

よく見ると筒状に綴られており、開いた穴から覗くと何か蠢くものが見えます。
筒を開くと出来てきたのは独特の紋様が鮮やかなアオバセセリの終齢幼虫です。
終齢になるとこの様に巣の付いた小枝を齧って枯らし、最終的にはその中で蛹となります。
この幼虫は大きさ的にはもう少し食い込んで老熟するようです。

セセリ類はネットで捕らえると高速で力強くバタ付いて翅を相当汚損してしまいます。
よって綺麗な標本を得るには飼育しかありません。
昨年までのシーズンは一般に甲虫類の採集に余念が無く蝶の飼育にまでは手が回りませんでしたが、
前段の様に今季は採るべき甲虫類の発生が悪いため(不可抗力的に)余力があります。
少し飼育してみることにしましょう^^

次に、アオバセセリ幼虫と比べて格段に見る機会が少ないのがこれ。
同様にヤンバルアワブキの葉の先端に何かヒラヒラしたものが見えると思います。

もっと近寄ってみましょう。枯れた葉の小片がレースのカーテンの様にも見えますね。
塔の様にそびえ立つ枯れた主脈も目立ちます。
オッ、その奥に何か黒いモノが止まっているようですよ。

その正体はスミナガシの幼虫でした。
終齢幼虫に脱皮したばかりのようで、頭部の「悪魔顔」が異様にデカく、不格好に見えますね。
これまでは先に述べた「塔」に留まっていたわけですが、終齢になってからは葉上で過ごします。
これからどんどん葉を食い込んでスッキリとした格好良い幼虫になって行きます。


これらを飼育する際に大きな問題となるのがヤンバルアワブキの水揚げの悪さです。
庭に木が植わっているなら何の問題もありませんが、現在住んでいる狭いアパートでは切り枝を使う
しかなく、如何に切り枝の鮮度を保てるかが勝負となります。
とは言え、飼育には向かない高温多湿の季節なのも併せ限界が在るのも事実。
餌替えを始め世話は大変ですが、コレクションのため、ここはイッチョ頑張りますか^^

では、アノ蝶も飼育するかあ?

もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。

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