初めてヤシオサゾウムシを採る(2022.1.21) | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

初めてヤシオサゾウムシを採る(2022.1.21)

ヤシオサゾウムシは東南アジアを原産地とし、今ではインドや中国、豪州、米国、欧州など
世界各地に分布を拡大しています。

日本では沖縄で1975年に早くも確認されていましたが、本土域(三重・岡山~九州)での発見は
それから20年以上遅れ、地元:熊本では2004年に確認されました。
そして僕も初めて地元で本種に出会うことが出来ました。
被害木のヤシ(フェニックス)に近付くと枯れて幹から折れ落ちた葉が地面に転がっています。

葉柄基部はヤシオサゾウムシの幼虫によってボロボロに食われており、崩していくとヤシの繊維を
綴って作った繭が出てきました。


タイミングとしては羽化して暫く経った時期のようで、繭を崩すと体が堅強となった新成虫が現れました。
オサゾウムシ類の生前のこの色彩、何とも言えない美しさです^^

これはナタで葉柄を削っていた際に繭の一部を壊してしまった場面。
新成虫の口吻が覗いていますね。


繭から取り出した成虫達。
本日の最高気温は6℃。寒さのため全く動きませんが、これでも生き抜けるのだから大したものです。
元々は東南アジアの虫なのにね^^

ただ、一本の木で何世代も繰り返すことから古い繭が圧倒的に多く、新成虫の入った繭は思ったほど
には出て来ませんでした。そこまでボロボロ採れる虫ではないのは良いですね。繭に入った可愛らしい
姿も含め一気には飽きさせない魅力はあるようです。

本種の幼虫はヤシの幹に食入し、柔らかい葉の葉柄や木の上部などを食害するため最終的には木が
衰えて枯れてしまう場合も多いです。
採集者としては居続けてくれた方が面白いけど、やはり蔓延してしまうと困るというジレンマをどうしても
抱えてしまいます。
駆除しきった方が良いのか、ある程度は残すか・・・

と言うか、枯れ落ちた葉が大量でそれらが積み重なり、下に積もった部分にはとても行き着けません。
それに必要以上の標本数も必要ないし、腰も痛くなってきたのでそろそろ採集を切り上げよう。
とりあえず満足したので暫く本種の採集はしなくても良いけれど、また探してみたくなった時に未だ発生を
続けているのかな。

もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。

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