チャイロヒゲビロウド食痕を見て思う、緩い材採集への移行(2022.4.16)
近郊の低山へイチョウヒゲビロウドカミキリの材を探しに行って来ました。
前四年を奄美で過ごしたため、本種も永いこと再会の機会が無い虫になっていました。
久し振りに本種の寄生するニワトコやクサギの材を探してみようかと思い立ったわけです。
本種の生息域は低山帯なので、阿蘇・九重や九州山地方面と違い短時間で採集地まで行くことが
可能です。たまにはラクをして採集にメリハリも付けないとね^^
町が見下ろせる近郊の低山からの眺め。
本種はやや乱暴な言い方をすると関東沿岸部に居るチャイロヒゲビロウドの代置種的な存在です。
生木しか食わないのも同様で、同じくニワトコにも寄生しますがイチョウやクサギにも付きます。
イチョウは基本的に栽培種で嗜好性は正直よくありません。また九州ではニワトコも関東低地の
ようには目にしません。僕の感覚ではクサギが探し易いかな。下の写真の中央がクサギです。
いずれも食入の密度は低く、1本の木に幼虫が入っていてもせいぜい1~数頭。
この木にも一か所の食痕しかありません。
生木を切ってしまうと次からは採れなくなるし、材から確実に成虫が出てくれるとも限りません。
本種のようなカミキリの場合、材採集は極めて効率の悪い方法と言えます。ちなみにこのことは
屋久島のヤクチャイロヒゲビロウドにも言えますね。
それにビロウドカミキリ系は羽脱後に一定の活動を行わないと長い触角が伸びにくい特徴があります。
また野外で摂食活動をしないと体も堅く強靭にならないようです。
これらは正直、ビロウド系に限らず材から羽脱させたカミキリ・甲虫全般に言える傾向です。
よって、これを契機に材採集の考え方を変えることにしました。
本来、材採集は「社会人」向きのカミキリ採集法です。
つまり、平日は採集が出来ない社会人が冬の週末、あるいは年末年始等の休暇を使って効率良く
カミキリ等を得るのに適した方法と言えます。社会人こそ材採集をやるべきです。
僕も含め虫を材からよく出すなあという人が居ますが、ヤタラメッタラ材を採っているだけです^^
僕のような「サンデー毎日」の虫屋は、完全体の成虫を必要数だけ採れば良いのではないか・・・
と思い始めました。「そうだよなあ、俺、もうそんなに虫イランしなあ」とも。
僕は蝶・甲虫のハイブリッド虫屋ですが、蝶にも最近は同じ考えを持つようになってきました。
(蝶の飼育は、また別の楽しみがあります)
ちょっとイチョウヒゲビロウドの材を見に裏山に行ってくる、という単純な作業でしたが、思いがけず
今後の採集行動を大きく変化させるきっかけとなったかもしれません。
このことはもう少し深慮してみよう。
もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。



