タンナサワフタギ材を採りに九州山地の奥へ(2022.4.5)
最終回オークションが終わる直前に九州山地の奥へタンナサワフタギの材を採りに行って来ました。
少し寒の戻りがあり標高1500m近辺はさすがに肌寒さを感じましたが、終日快晴だったため日差しの
おかげで快適に動き回れました。
九州とは言え、山間部はまだまだ冬の様相。地域柄常緑樹や植林の緑も混じりますが、冬色の山肌に
ヤマザクラの花の淡いピンクが点々とアクセントを加えています。
九州のタンナサワフタギの枯材からはキュウシュウトガリバホソコバネをはじめ、ヘリグロホソハナ
(九州亜種)、そしてヘリウスハナが羽脱します。前2種は他地域産と結構異なるし、材採集では
普通種とされるヘリウスハナにしても関東や関西の様に採集者がこちらの何十倍も居る地域のものと
比較すると価値は雲泥の差と言えます^^
いずれも超人気で常に在庫が無いため、今度こそは自分の標本を作るつもりで臨みました。
下の写真では、中央に2本のタンナ生木(コケが生えた白っぽい樹皮の木)が見えます。
冬枯れで歩き易い林内を徘徊しますが、タンナは多いものの枯れた木が殆ど見つかりません。
おっ、枯れた奴を見つけたと喜んでも、切ってみると食痕はあまり出ない・・・
おうおう、今回は試練を与えてくれるじゃないか。
数を当たれば確かに食痕は在るし、幼虫や蛹は出ます。
切り口にたまたま頭を出したハナカミキリの蛹。
採れるには採れるものの、「これは!」っていう奴がどうも採れない。
次第に飽きてきたので近くにあったブナ倒木の浮き上がった樹皮をガバッと剥がしてみたところ、
ツノクロツヤムシが3頭転がり出てきました。
本来は材部を彫り込んで内部で越冬するのですが、こんな所に居るということはもう外で
活動しているということですね。高標高の虫の目覚めは結構早いんだなあ。
今日は他の材性の甲虫を採る予定はないのでタンナ材以外で回収したのはこのくらい。
うーむ、今回はキュウシュウトガリバホソコバネの確実な食痕はほぼ無かったし(出ても小さい奴)、
ほか2種もあまり出ないかもしれないなあ。
4時間程は遊んだけど、あまり良くない一画に拘り過ぎたかも。
こんな年もあるでしょう。来年は場所を変えてやってみよう。
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