センノキ立ち枯れに来るカエデノヘリグロハナカミキリ(2022.6.8) | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

センノキ立ち枯れに来るカエデノヘリグロハナカミキリ(2022.6.8)

ちょっと前になりますが、九州脊梁山地の原生林内で見つけていたセンノキの立ち枯れを見に行って
来ました。もちろん狙いはカエデノヘリグロハナカミキリです。
本種は九州では結構な珍品で、地元熊本でも確か阿蘇地方他で数個体のみ記録されているだけと
記憶します。九州全域で考えてもかつて黒岳周辺が多少有名だったくらいで今はどうでしょうか。
普段の採集で各種の花を掬っていても、まあ入ることはありません^^

本州の人も少ないと書かれている文面をよく見ますが、僕も東京に四半世紀暮らし本州各地で採集して
いたのでもちろんその感覚は分かります。ただ本種にしても前に紹介したクロサワヘリグロハナにしても
北方系なので間違いなく北寄りの地域の方に個体数は偏ります。
九州での少なさは「次元」が違う事をご理解頂ければと思います。

九州の様に本種が極端に少ない地域において花で採るのは大変ですが、センノキ立枯れに来るのを
狙えば比較的成功します。この習性を学んだのは東京在住の頃でしたが、個体数の多い地域では
(例えば福島県南合津地方等)上手く行けば巨大なセンノキ立ち枯れに数頭の本種が歩き回っている
場面を見ることが出来ます。北の地域ではナシやミズキ等の花にもよく来ますね。

しかし、此処は個体数のヒジョーに少ない九州。
無理かもなあ、と思いながら立ち枯れを見上げること僅か十数分。
弱々しく飛んで来た赤っぽい虫が地上5~6メートルの所に留まりました。
この立ち枯れには大きなガガンボが幾つもまとわり付いていたので見紛いそうでしたが、豆粒のようにしか
見えないものの長い触角を振りながら歩く様子はまさにカエデノヘリグロハナ。

「おお、来てくれたか・・・」
安堵の気持ちで見上げますがテキは遥か頭上。
しかし本種の場合、重力に従い下に歩いて来ることが多く、待っていると大抵地上2~3メートルの位置に
までは降りて来てくれます。が、何かを思い出したようにまた上へ上ってしまうのです。
よってぎりぎりまで待って、反転する瞬間を掬うのがミソ。

その瞬間を捕らえたのが下の写真ですが、地上2.5mの高さなので被写体が非常に小さくなりました・・・
写真の中央、木の穴に半分体を突っ込んでいるのが本種です。

撮影後すぐにデジカメからネットに持ち直し、なんとか御用に。
ふう。写真も撮り、獲物も採る二刀流のドタバタは何時もながら大変だわ。

1頭目は採集を始めて十数分後に飛来したものの次はなかなか来ません(そりゃ九州だもの)。
上を見ながらひたすら飛来を待っていると首が痛くなりますが、我慢して待つこと40分。
ようやく2頭目が来ました(九州で日に2頭目を見れるとは・・・)。
下まで降り切ったところで注意深く網を伸ばしたものの、何と失敗! 逃がしてしまいました(泣)
そして3頭目が来ることは在りませんでした。

今年は半日しか時間を割かなかったので1頭の採集に止まりましたが、巨大な立ち枯れは何年も持つので
(細い木だと数年)追加は暫くの間は可能でしょう^^
そう言えば阿蘇でもセンノキ立ち枯れを見つけていたけど行かなかったなあ。遠征に行かない年にでも
見回ってみますか。
これからゆっくり九州産のマイコレを増やしていこうと思います。

もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。

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