熊本:天草島のケブカトラカミキリ(2024.5.12)
かつてケブカトラと言えば実質的に四国:室戸岬のナギでしか採れないという時代が在りました。
当然誰でもが採りに行ける存在ではなく、現地でも少ないのでカミキリ屋垂涎の虫でした。
ところが今から三十数年前に種子島の栽培マキで発生しているという情報を得て、GWに当時
暮らしていた東京から遠征を敢行、まあ満足出来る程度には採集出来ました。
手に取る本種は本当に「毛深」な虫で、愛らしい姿や動きに本種の虜になったものです。
暫くしてケブカトラは今度は鹿児島県:大隅半島へ移入、当時僕は大隅半島のカミキリの材採集に
通っていたことから(東京から大隅くんだりまでようやったわ^^)一早く本種を発見。
冬だったので材中で越冬中の新成虫を10頭近く割出し産地更新に喜びました。ところが本種は
更に北上、15年位前には今度は薩摩半島基部で「大発生」。ミカン畑の防風林として植えられた
大量のマキでそれこそ大量に採集出来ました。しかし甚大な被害に農家や行政側が動いた様で、
殺虫剤の散布等が行われたのかそこでの発生は一旦終息しています。
しかしあれだけタトウに並んでいた標本在庫が例により何故一桁しかないんだろう・・・
まあ本種の人気ゆえでしょうね^^
聞くところによると本種はその後、千葉県で「養殖」されたようですね。千葉では沖縄・奄美型の
アマミトラも養殖されており、そこまで本来の産地から「飛んで」しまうとどうも萎えますね。
「人為」が決定的だし、イワサキケブカとかなんとかゴマダラとか、なんとかクワのような
どーでも良い外産的な臭いがして殆ど食指は動かないなあ。
本種の新ネタは暫く途絶えましたが、昨年、僕の住む熊本で知人の記録が出ました。鹿児島から
熊本へ更に北上したことになります。其処でのマキは観賞用に僅かに植えられているだけなので
採集数は少なく、十数頭といったところでした。
そして今年になり、この5月に訪れた天草島で今度は僕がケブカトラを発見してしまいました@@
此処でも僅かなマキで発生しているため、採集出来た数は少ないものでした。
他のカミキリと同様にペアは交尾しながら移動、♀は♂を背負ったまま同時に産卵も行います。
日差しが強い時間帯は日陰側でジッとしています。
樹皮下の形成層を破壊しながら食痕がグルリと走ります。その近くに新しい脱出口がありました。
食された周囲が枯れて時間が経つと樹皮が剥げ落ち、食痕の様子が良く分かるようになります。
若木ならほんの数頭の被害で枯れ死んでしまうことも多く、そうした木が目立つようになると持ち主や
産業的に大量に植えられた場合は業者や行政側が動く、というパターンなのでしょう。
とりあえず地元のポイント2カ所のマキは趣味で植えられたものなのでホッタラカシにされており、
今後数年は楽しめそうです^^
屋久島(本来の産地)→ 種子島 → 鹿児島(大隅半島・薩摩半島)→ 熊本と、繋がった移動を
結果的に全て追い掛けたのは僕だけなんだよなあ。飛び離れた養殖場なんかには行かんけどね^^
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