九州脊梁山地の得難いAsaperda(2024.6.9) | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

九州脊梁山地の得難いAsaperda(2024.6.9)

いよいよ九州南部が梅雨入りしました。これから鬱陶しい雨続きでフィールドに行けなくなる時期に
なりますね。暫くはゆっくりと老いた体を労わることにしましょう^^

さて、九州で最も得難いAsaperda(シナノクロフカミキリ属)と言えば大分・黒岳で2頭のみ
採集されているフトキクスイモドキカミキリになりますが、これは比較的採れている本州での生態も
ほぼ不明の訳の分からないシロモノなのでとりあえず無いことにします。

キクスイモドキ(九州周辺産は亜種)は一般に普通種扱いですが、1500メートルの高所近くとなると
かなりの珍、しかも上翅会合部の灰色線が消失した全身漆黒の一見キクスイモドキとは分からない
タイプとなります。

写真の様に脚が赤いので黒とのコントラストが異様ですね。地元の低山帯のビーティングで落ちて来る
キクスイモドキと比べると感覚的には全くの別種に見えるほどです。キクスイモドキ九州深山型とでも
言いたくなるようなオツなものでとても好みです。

なおこの型は最新カミキリ図鑑にも図示されていますが図版では黒と言うより通常の褐色に近い色合い
になっています。これは採集後時間が経ったビンテージ物ということでしょうか。同図版には相当に
黒いはずの下甑島産(僕も実際に採った際に「とても黒い!」と感嘆した)も図示されていますが、
写真ではそれほど黒味は強く出ていません。解説でも「「やや」黒い」とされていているのでこれも
経年退色によるものか、あるいは写真では「黒味」が出難いのかもしれません。

ゼフィルスの翅の黒色部分が経年で色が抜けて真っ黒から薄い黒・褐色に退色してしまうのと同様、
甲虫でも経年退色は有ると考えるべきです。図鑑解説などで標本のみを見て黒とか、やや黒いとか、
褐色とか、灰色など様々な表現で色の濃さにより分別されるケースが多々ありますが、年月が経つ
標本ほど色合いに関する取扱いには注意すべきでしょう。
まあね、そのことに気付かない、あるいは気にしていられないというのが現実ではありますね。
採った時の色合いと図鑑の写真が異なり戸惑うことは特に採集回数が多い僕なんかはよく在ります。

そして久し振りに採ったシナノクロフ九州亜種。


これはまごうことなき珍種で、かつて九州深山で伐採が行われていた時代は伐採枝のビーティングで
採れていたようですが、今の全くの自然状態で採るのはとても難しいです。
林内が暗いので光量を上げて撮ったため薄い色合いに見えますが、実際は関東等で見慣れた明るい型に
比べるとかなり黒っぽく見えます。斑点は大きく多量でエリトラの横帯は判別し難いです。

かつて関東の大学に進学した僕は高尾山にバイクで採集に行く折り、当時多摩丘陵で建設中だった
多摩ニュータウン(なんと今は既にゴーストタウン化しているとな!)の伐採現場でコロコロとたくさん
落ちる関東低山のシナノクロフにとても驚いたものでした。其処以外でも本種は各地で採れ、斑紋の
変異にも驚かされました。

なお僕はシナノクロフ九州亜種を材で採ったことが一度あります。此処では書きませんがとても面白い
生態(蛹化様式など)で、なるほど、だから本属の種は材から出ないんだなと思わせるものでした。
Asaperdaって分かり難いけど奥が深く本当に面白いですね。

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