気が知れない甲虫達@@(2013.2.8)
ここに枕を並べて討ち死にしているのは石垣島産スジホソコガネです。
採集した日の夜、安宿の貧弱な電機スタンドの下で撮ったのでちょっと見難いですね^^
本種は時として一度に多数が採れることがあるのですが、その際の彼らの行動にちょっと翻弄された
ことがありました。
発生地では気温の高い昼下がりにブンブン飛び回るのですが、その何割かが土壌のある場所に
固執するような行動を取っていました。
一旦はそこに留まるのですが、何が気に食わないのか数秒後にはまた飛び去ってしまうのです@@
本種の詳しい生態は未だに知られていないので、何とかその一端にでも迫ろうと採集はそっちのけで
観察を続けたのですが、結局何も起こらず終いでした。
ひょっとしたら土中から出てくる♀を探しているのか、と思ったのですが・・・
一方、こっちは地元熊本でのこと。
秋の放牧地で見たオオセンチコガネのわけの分からない行動です。
芝生のように細かい牧草がびっしり生えた所にイノシシだか小型野獣の小さな糞塊があり、
そこに多くのオオセンチが集まっていました。
その日は気温が高くオオセンチ達は活発で、小さく切り取った糞の塊を各々が好きな方向に引きずって
います。
そうそう、ここのオオセンチは個体によってはややグリーン掛かるんですよねえ^^
ほら、前肢で抱えて引きずってる^^
ところで、ある糞虫関係の本に、日本にはスカラベのように糞を「転がす」ものが1種居ると書いて
ありましたが、前肢で抱えて「引きずる」という概念(行為)は普通の事なのだろうか・・・
それは、まあいいや。
日差しが強いので分かり難いのですが、この中だけで糞塊を抱えたオオセンチが5~6頭居ます。
各々が思い思いの方向へ小さな糞の塊を運んでいるところです。
ある距離まで糞塊を引きずると、糞の横でぐるぐると回りながら地面を調べているような行動を
取り始めます。
「なるほど、穴を掘って糞を地面に引き込むんだな」と思って見ていると、なんと全ての個体がそのまま
何もせずにその場所を離れてしまったのです@@
せっかく長い距離を運んだ糞は捨て置いて・・・
ええ? 何のために自分より大きな糞の塊をえっちらおっちら運んだの・・・
もう全くわけが分かりません。
やはり虫というのはヒトとは次元の違う生き物なので、擬人化の情緒を持って見てはいけないんだな、と
つくづく感じましたね。
次はこう来るだろうな、と思うことが大当りすることもありますが、そうでないことも結構多いものです。
虫とはニュートラルな目線で接することが必要だと最近強く感じています。
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