九州中部のムラサキアオカミキリ(2013.10.15) | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

九州中部のムラサキアオカミキリ(2013.10.15)

九州産アオカミキリの分類はちょっとややこしい事になっていますね。
最新の文献によれば、九州全域にムラサキアオが分布しており、九州北部には別途本州から連なる
通常のアオカミキリの分布域があるということのようです。

普通に考えれば北部産のアオは人為的な移入でしょうから殆ど意味は無く、むしろ従来から分布する
ムラサキアオとの雑交が問題になると思われます。
それでどうも個人的には北部地域の(価値の測りかねる)アオには食指が伸びないんですよねえ。

僕の地元となると当然九州中部産となりますから、文句無くムラサキアオということになります。
ここまで南下すれば鬱陶しいタダアオとの雑交の可能性は無くなるでしょう^^
なお、本県では採集例が殆ど無いので(熊本産は珍品^^)中部産が話題に上ることは無いようです。

ところで、ムラサキアオに限らず、何かと鹿児島との関連上(特に太平洋側の繋がりという意味で)
宮崎県のカミキリにはよく言及されます。
文献にも、ムラサキアオの色彩については宮崎付近で移行地帯を持つ・・・とあり、鹿児島のちょっと北
(言い方が難しいが^^)辺りからいわゆる緑型から紫型へ変わっていくとのニュアンスで書かれています。
ちなみに本県でも人吉市辺りまで南下するとムラサキ型となるので、太平洋側に限らず九州脊梁山地の
何処かで全域的(横断的?)にこの傾向が現れるのでしょう。

さて、今日の話題は九州中部のムラサキアオの発見例です。
先日、林道を走っていると下枝が途中で折れたカエデの小木が目に留まりました。
近寄って確認すると、折れた下枝の断面にアオカミキリの古い坑道痕が見えました。


ほう、ムラサキアオじゃないか。珍しい・・・
そう思いながら近くを探すと同程度の高さのカエデがあり、幹の上部にカミキリの脱糞口がいくつか見え、
木屑がこぼれ落ちています。

適当な位置からその部分を切り取ったのが下の写真です。

分岐した小枝から食い進んだ幼虫が幹に入ってきた部分です。

右側に来年に羽脱するための脱出口が既に作られているのが分かるでしょうか。

どうやらこの付近は本県では滅多に無い本種の確実な産地のようです。
再来年あたりからじっくり調べることにしよう^^

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