ムネモンウスアオカミキリの蛹・新成虫を割り出す(2014.4.7) | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

ムネモンウスアオカミキリの蛹・新成虫を割り出す(2014.4.7)

八重山の春におけるカミキリの代表格の一つがムネモンウスアオカミキリです。
名前のとおり体色は確かにウスアオなんですが、その言葉だけでは表しきれないほどブルーに深み、
奥行きのある不思議で幻想的な色合いを持つカミキリです。

そのように美しいこと、珍品イメージがあること等からこのカミキリに興味を抱く人は多く、初心者さんと
話をすると、とりあえず採ってみたいと口を揃えておっしゃいます。
そして実際にネットインして小躍りされている採集者をもう何人も見てきました^^

僕も八重山に訪れ始めた頃、やっと採った本種にとても感激したことをはっきりと覚えています。
これからもかつての僕のようにムネモンウスアオに魅了され、初めて出会った本種を前に興奮される
方々が絶えないのでしょう^^

さて、本種をはじめとしたサペルディーニの仲間は、成虫が後食に集まる樹木・草本(成虫のホスト)の
葉をネットで掬って採集する方法が一般的です。

ただ幼虫のホストが判明している場合が多い上に、食害部分や食痕が分かり易いため材採集を
やり易いグループとも言えます。
ムネモンウスアオの場合、成虫・幼虫共にホストはヤンバルアワブキです。

今年は既に成虫の発生は始まっていますが、まだ材中にはこれから羽脱して来る個体が居る
タイミングです。ちょっとある実験をしてみたかったこともあり、材での採集も行ってみました^^

食入材の樹皮を剥がすと・・・

♂の蛹が出て来ました^^

本種に限らず木本植物の枯れ木をホストとするタイプのサペルディーニは、幼虫が樹皮下を
食害した後、このようにボート状の蛹室を作る種類が多いです。

そして材を切断した断面の樹皮下近くに、何か虫のようなものが見えています。
その部分を少し削り取ると・・・

ムネモンウスアオの♀の新成虫です!
危なく切断するところだった@@

体は既に強固になっており、今直ぐにでも羽脱しようとしている様子が伺えます。この段階で多少は
「ウスアオ」に色付いているものの、まだこのようにくすんだ体色であるのが分かりますね。

これで前段に述べた「ある実験」の材料が出来ました^^
面白い結果が分かったらまた報告しますね。

ムネモンウスアオは基本的に採集は簡単だし通えば数は採れますが、まだ誰もやったことがない
試みを行ったり、新知見を得るのはとても楽しいですよ^^

もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。

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