オオシロモンセセリ、クロセセリの幼虫の区別点(2018.7.4)
日本産セセリチョウの中でもオオシロモンセセリおよびクロセセリは、大型かつ美麗、蝶屋の
コレクション欲をくすぐってくれる佳蝶です。
コレクターにとってセセリチョウの最も不都合な部分は、極めて羽がスレ易く他の蝶と比較して
完全な標本を得難い事でしょうか。
ネットに入れると羽化直後の美しい個体でも高速でバタバタ、バタバタと休みなく羽ばたき、どんなに
丁寧に扱っても鱗粉がある程度剥げ落ちてしまうのです。
セセリチョウの人気がイマイチなのは、展翅のやり難さに加えてそうした扱い難い部分を嫌う人が
多いことも一因だと思います。
これを防ぐ最も効率的な手法が飼育です。
ただオオシロモンセセリ、クロセセリ共に幼虫はショウガ科のゲットウ(月桃)をホストとし、
互いによく似ているので正確に同定しなければなりません。
これまでの観察で両種の終齢幼虫の写真が撮れたので区別点をお知らせします。
オオシロモンセセリ終齢幼虫
クロセセリ終齢幼虫
実は区別は簡単、オオシロモンセセリの頭部は真っ黒ですが、クロセセリのそれには写真のように
黒地に四つの明るく大きな斑紋があるので間違えようがないのです^^
珍品度からどうしてもオオシロモンの方をより求めるので、巣を暴いてクロセセリの幼虫が
出てくるとガッカリしますが、僕の経験上ゲットウから採れる幼虫はかなりの割合でオオシロモンの
確率が高いように思います。
クロセセリはゲットウ以外にミョウガも餌とするため、ミョウガに居る幼虫は全てクロセセリ
ということになります(上記クロセセリ幼虫が留まっているのもミョウガ)。
今日のネタは簡潔な事項ですが知っているか否かではフィールドでの成果が異なってきます。
両種の完全な標本を得たい方(そして飼育好きな方)は是非ご参考に^^
もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。