忘れていた熊本産オオクワガタ幼虫が・・・(2012.8.20)
「ありえんだろ・・・」
昨日、絶句してしまう出来事がありました。
あれは確か今年の1月か2月、熊本市郊外の丘陵地にオオクワガタを探しに行ったことがありました。
かつてのクワガタブームのあおりを受けて熊本のオオクワガタも今は風前の灯火。
毎年スカを食らっていたので今年もダメだろうと思いながらも、さんざん探し回ってようやく幼虫が
1匹採れました。
終齢ではあるもののあまり大きくなかったので、どうせ♀だろうと飼う気がしなかったんですね。
小さなタッパーに少量の木屑とともに入れて緩くフタをし、傍にあったダンボール箱に入れたんですよ。
そしてありがちなこと。
すーっかり忘れていたのです^^
実はそのダンボールには古い展翅板を数十本入れていたのですが、友人に譲ることになったので
整理しようと開けたところ件の小さなタッパーが現れたんですね。
「アーッ、そうだった、忘れてた!」
忘れてたなんてものではありませんよね^^
湿った木屑を入れていたにせよ、もう半年以上も前だし、普通なら幼虫の「ヒモノ」が出てきます^^
ところが、「あ、居ない・・・」
タッパーのフタが開いており、中には少量の乾いた木屑しか入っていないのです。
どうやら幼虫が動き回るうちにフタが開いて、外に飛び出しちゃったようです。
展翅板を取り出しながらこぼれ出た木屑をはたき、箱の底にあるであろうヒモノを探したところ・・・
なんと、オオクワガタ成虫♂がこちらを向いて威嚇しているではありませんか!
「親になってる! でも、なんで生きてるの?」
と言うより、「餌もないのにどうして成虫になれたの?」
調べたところ、その理由はダンボール箱に入っていた一つの展翅板にありました。
その写真です。
なんと幼虫はタッパーから這い出した後、その展翅板のコルクと上板を齧りながら成長して蛹化。
そして羽化に至ったようなのです@@
まあストーリーは想像できるものの、最も不思議なのは全く水分が無い状態だったのに生き続けた
ことです。
半年以上もカラカラの環境下においてクワガタの幼虫が生き続け、しかもある程度成長することが
可能なのでしょうか?
餌となった展翅板はコルクも板もガチガチに乾燥しています。
しかもそのダンボール箱は真夏の熱がこもる玄関付近に置いていました。
冒頭のように、当初は♀と思っていたほど小さい幼虫だったのに、小歯ではあるもののそれなりの
♂に育っているのです!
謎は解けませんが、ミステリーを通り越してこれはもう感激です!
長期間の労をねぎらって十分に加水してあげました^^