10月4回目オークション出品から(2015.10.30) | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

10月4回目オークション出品から(2015.10.30)

現在オークションに出品中の虫を紹介するコーナーです。
今週もその中から十数点をピックアップしています(11月1日入札終了)。

種子島産ルリヒゲナガコバネ♂

屋久島には毎年あれだけの虫屋が訪れるのに対して、隣の種子島には一体如何ほどの人が行って
いるのでしょうか。その差が歴然なのは容易に想像出来ますが、その最大の理由は特産種や特産亜種が
極めて少ない事です。屋久島の最高標高が約2千メートル(なんと九州一@@)なのに対し、種子島の
それは3百メートルにも満たないのです。これじゃ、虫も特化し難いでしょうからねえ。
カミキリ唯一の特産種が本種で、近似種の奄美のコバルトヒゲナガコバネと同様にカラスザンショウを
ホストとします。
本種が入っている材を探すのは結構難しく、 現地生息域にはカラスザンショウの数も多いため
なかなか「当たり」には行き付かないのが現状。
底値も底値なので毎回必ず落札されますが、種子島まで行くのが一体何人居るのかと・・・

熊本産シロイタヤ極小タイプ2♂

九州のいわゆる「シロイタヤ」、大きさは本州物と基本的には変わらないのですが、僕の庭たる阿蘇の
一画にはちょっと変わった一群が居ます。
其処でのホストたるヤナギは高さがせいぜい腰丈ほどしか無く、根元でも直径は1センチ強。
このヒョロヒョロと伸びた細いヤナギに依存するシロイタヤは必然的にマイクロサイズとなるのです。
標本に当てたスケールを見て驚く人も多いはず。この極小シロイタヤ、希少性も高いため僕は滅多に
オークションにも出しません。

熊本産ベニハンノキ・ペア

これも何故か阿蘇周辺で特化してしまったカミキリの一つ。阿蘇のハンノキカミキリは多少なりとも
エリトラに朱色が発現し、俗称「ベニハンノキ」と呼ばれます。明らかに本州産と比べて小型の個体群
でもあり、屋久島のオオヨツスジハナカミキリと並んで亜種とされないのが不思議です。
そしてベニハンノキの価値を決めるのが朱色のグレードと言え、もちろん全身「真っ赤」となるのが
最高峰とされるわけです。
ところが、出ないんですよ。そこまで真っ赤な奴はなかなか。写真の♀はそこそこですが、♂の方は
ほぼ真っ赤の最高グレードです^^ 羽化品だけに最美でもありますねえ。

熊本産ヒゲナガ♂

これ、関東辺りのバカバカしさを連想して貰っては困ります。
大学生時代、東京の裏高尾(高尾山の裏側。日陰沢のこと)にオフロードバイクでよく通っていましたが、
ある年、台風でモミの大木がバタバタ倒れたことがありました。夏に其処へ行ってみてビックリ@@
大小様々のヒゲナガカミキリがそれはもうウジャウジャと這い回っていたものです。僕の標本箱に
鎮座する特大3♂はその時に採ったもの^^
翻って九州で本種と遭遇するのは至難の業で、僕はUターンして8年目になりますが九州の山で
本種を見たのは僅か2度のみ。こっちではかなり貴重なカミキリなんです。

熊本産ダイコクコガネ特大2♂

某図鑑には本種の最大値が34ミリとなっていますが、あれはねえ・・・
僕はこれまで通算で数百頭は見てきたし、他の人からの情報も加味して考慮すると実際の最大値は
30ミリちょっとというところでしょうね。31ミリオーバーくらいまではいくかもしれません。
この2♂は27~28ミリとかなり大きく、今では貴重なサイズと言えます。
ちなみに、糞虫類は展足(特に後脚符節)が決まり難いんですよねえ。

西マレーシア産マレーテナガコガネ・ペア(♂64㎜)

僕は2002年までの3年間、シンガポールで駐在員として働いていました。
その際に余暇を利用してマレーシアのキャメロンハイランドによく通いましたが、懇意にしていた
標本商から大型個体を含む幾つかを入手出来ました。
オークションに毎年1~2組出品していますが、そろそろ出せる在庫が無くなってきたなあ。
さすがに最後のマイコレ分は出せないしね^^

タイ産大型タマムシ8種8頭

東南アジアには美麗大型タマムシ類が数多く居ますが、それぞれを標本商やフェアで個別に購入
するとかなり高額になります。
当セットは珍美のカザリルリタマも入ってなんと底値1500円^^

インドネシア・スマトラ産クギヌキフタオ♂

このクギヌキ(デハーニー)フタオ、東南アジアの全フタオチョウの中では最も人気の高いものでは
ないでしょうか。
丸く湾曲した釘抜き状の尾突、毒々しくも妖艶な裏面色彩(勿論表も素晴らしい^^)、そして珍品度。
昔からコレクターの本種への訴求熱は相当のものだったようです。
僕は苦労の末にジャワ産とスマトラ産の両亜種を入手、比較的余裕のあるスマトラ産を時々出品
しているというわけです。

ペルー産蝶類





僕は基本的に日本から見て、地球の裏側の虫にはシンパシーを感じない(否、感じないように努力
してきた^^)のですが、誘惑に負けてやはり南米(ペルー)の蝶達も集めてしまいました。
これまでのオークションではペルー産蝶はほとんど出してこなかったのですが、今週分から少しずつ
出品することにしました。
今週の15点ほどから数点ご紹介しますが、僕が購入したペルーの蝶の標本は驚くほど品質が良く、
写真からもお分かりの通り翅はほぼA級品ばかりです。
もちろん全てがそうというわけではなく、購入標本の品質は相手方やロットに大きく左右されます。
粗悪なものを掴まないよう、出来るだけ情報を吟味し、分析し、実際に相手方(標本商)とも交流を
深めることが重要となります。

あー、また書き過ぎた・・・
別に此処での苦労が報われるわけではないけど、こだわりの逸品を出品していますからね。
どうしてもこうなっちゃうんだよなあ。
次回こそ、さらっと。

もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。

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