沖永良部島特産種、オキノエラブコブヒゲカミキリなど(2018.6.16) | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

沖永良部島特産種、オキノエラブコブヒゲカミキリなど(2018.6.16)

昨日に続き、沖永良部島採集行の第二弾です。
沖永良部島にはオキノエラブリンゴ、そして本日取り上げるオキノエラブコブヒゲの二種類の
特産カミキリが分布します。

前者は春のカミキリで、探せば未だ生き残りは居るでしょうが時期的にどうせスレ・不完品だろうし、
効率も悪いので今回はスパッと諦めました(もちろん来春やります^^)。
今回は僅か1日半の時間しかないこともあり、カミキリの主目的はオキノエラブコブヒゲカミキリに
定めました。

で、やってみると比較的楽ですね、このコブヒゲ。
自分がコブヒゲ類の採集に慣れていることもあるのですが、自然度の高いエリアで真面目に枯れ木や
ソダ等を引っ叩くと割と落ちてきます。

これは♂。奄美亜種に似た、まばらな斑紋が特徴的。本亜種特有の太めの黒帯が目立たない
タイプの個体です。


こっちは♀。斑紋が少ないので明るく見えます。これは太い帯が目立ちますね。


交尾中だったペアも落ちました。

沖永良部島には本ハブ等の毒蛇が居ないので、夜も安心してポイントを歩き回れます。
細い枯れ枝に静止する♀。♂を待っているのでしょう。

これは食事中の♀。太い枯れ木に踏ん張って一心不乱に表面を齧っています。傍にも数カ所の
噛み跡が見えますね。産卵準備のための噛み傷作りかもしれません。

コブヒゲ類を採り慣れているとは言え、それでも当グループの中には採り難いものもあるので
一応の心配はありましたが想定数を上回る数を確保することが出来ました。
ただ、コブヒゲ類の常として不完品の割合が高かったのは残念でした。ヒゲが細く切れ易いからね。

ついでに。
コウノゴマフカミキリ沖永良部亜種。
良さそうな伐採枝もそこそこありましたが、何故か個体数は少ないものでした。


オキナワハネナシサビとされているもの。
エリトラ後方の太い白帯もちょっと変わっているし、さらにその先にV字型の細い白帯が見えます。
これは数個体採ったすべての個体に共通でしたが・・・ うーむ。

カミキリ最新図説の分布域に沖永良部島が無いクロオビトゲムネ亜属SP。
1個体しか採れませんでしたが、斑紋の混み入り方、極めて強いコントラストが沖縄・奄美の
個体群とは異なっており、何が落ちてきたのか面喰いました。

クビナガケシ
今年は奄美で数を採り損ねましたが、ここでカバー出来ました^^

オキノエラブアヤモンチビ
他地域の亜種に比べると斑紋が最もボヤッとしていて、ちょっと新鮮味がありました。

キンケチャイロ
今の時期、奄美でもたまに生き残りが見られますがスレ(特に本種はスレ方が酷い)・破損が進み
まず標本にはなりません。
沖永良部ではやや多いと聞いていましたが、一度に5頭が落ちてきて驚いた場面。この写真の中に
5頭居ますが、汚損が酷く1頭も摘まみませんでした。

この他、オキノエラブキボシやエラブカノコサビといった特産亜種も落ちましたが、なにぶん
時間が無く個体数は全く満足出来るものではありませんでした。
奄美大島なら幾らでも落ちるオオシマヤハズが珍品だったり、奄美産を見慣れた目にはちょっと
考えられないほど極小のオオシマビロウド(1頭しか採れなかった)など、実に面白い島でしたね。

今年は偵察程度でしたが、意外と大きな島なので来年は愛車を持ち込んで少し時間を掛けて
探索してみたいと思います。

もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。

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