ムモンベニカミキリが消えた九州のカシワ林(2012.12.21) | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

ムモンベニカミキリが消えた九州のカシワ林(2012.12.21)

ムモンベニカミキリは全国的に見て極めて局所的な分布をする上、個体数も少ないカミキリです。
そうした中で唯一の多産地と言えるのが大分県の飯田高原でした。

かつて其処のカシワ林はムモンベニの一大産地として有名だったので、今だに九州に行けばたくさんの
ムモンベニカミキリが採れると思い込んでいる方が多いかもしれません。

しかし、近年、その飯田高原で本種は全く姿を消しているのです。

そもそも本種は成虫でも時期には狙えるのですが、材中で越冬している前蛹を採った方が楽です。
個体数もその方が多く採れます。

僕が本格的に本種の採集に乗り出したのは東京で会社員をしていた頃だったので、
年末年始に熊本へ帰省した際にしか採集するチャンスはありませんでした。

とは言ってもコツさえ掴めば本種の材採集は楽で、当時は個体数も多かったことから、
日に3桁を超える材(前蛹)を採っていたものでした。
今ではそれも逸話となってしまいましたが・・・

かつて多産していたカシワ林からムモンベニが姿を消して15年ほどが経とうとしています。
先月下旬、そのカシワ林に立ち寄ってみました(年に一度は定点追跡調査をしている)。

これまでと同様にムモンベニの前蛹が入った半枯れ枝は見つかりません。
それどころか、過去の古い食痕すら見つからないのです。

「やっぱりねえ。 情況は変わらず、か・・・」

まあこの十数年は毎年こうなので落胆はありません。
ただ一つ言えるのは、少なくともムモンベニが最も採り易かった広大なカシワ林において、
本種はほぼ絶えてしまったということです。

では何故居なくなったのか?

これには諸説ありますが、今では居なくなった当時に僕が提唱した「野焼き廃止説」を支持する人が
多いようです(現在ではこれだけが要因ではないと思っていますが)。

当時、九州のカミキリ屋は本種にも飽きて、もう殆ど目を向ける人も居ませんでした。
ただ、東京で暮らしていた僕は違いました。
冬場の帰省時には格好のターゲットでしたし、本州の虫友達から依頼されていたこともあり、
ほぼ毎年本種の材採集に勤しんでいたのです。

ですから、当地での本種の消長に最も目を光らせていたのは間違いなく僕だったでしょう。
実質的にこのカシワ林でしか採れないチャバネクロツツカミキリが同様に姿を消したのにも
驚ろいたものでした。

閑話休題。

かつてはこんなヒュンと伸びたカシワの1年枝の半枯れに、ムモンベニの越冬中の前蛹が
よく入っていました。

風通しの良い背丈くらいの条件の良い木からは、10本ほどの材が採れました。
当時はデジカメが無かったので、食痕や幼虫の様子を記録しておけなかったのがとても残念ですね。


ただ、あれだけ採集したのに僕の標本箱に鎮座している標本はわずか6頭@@
タトウに残っているものをかき集めても全部でほんの数頭程でしょう。

当時は「あんなの何時でもいっぱい採れるわい」と、10頭単位で東京等の友人に気前良く配って
いたのです。
ああ勿体ない・・・

思えば、僕より九州産ムモンベニの標本を持っている人をたくさん作りだして来たんだよなあ。
居なくなる前に他地に多数の標本をもたらした(疎開させた)功績は大きいんじゃないかしら。

誰も褒めてくれないけど^^

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