数年振りの盛夏の九州山地採集(2019.8.12) | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

数年振りの盛夏の九州山地採集(2019.8.12)

ここ数年はタイミングの関係で地元:九州山地の高標高地帯における盛夏採集が出来ませんでしたが、
8月上旬に時間が採れたためナイター(月齢ギリギリ)やノリウツギの花掬いを行ってきました。
九州の高地も季節の多少の遅れから例年8月上旬にはほぼ散っているノリウツギの花が満開の状態で
盛夏の雰囲気は十分に堪能出来ました。

初日はライトフィット設置及びナイターから始める予定で午後から出発。未だ林内が見える時間帯に
直置き及び吊り下げライトフィットの準備を終え、見晴らしの良い地点でナイターのお店を開きます。
午後8時頃の点灯と共に少しずつ虫が集まってきますが、ほぼ駄蛾ばかり、しかも個体数が少ない。
奄美や屋久島と同様に九州本土でも「虫の出」が良くないと聞いていた通りで、甲虫ではたまに来る
ウンモンテントウ(九州では珍)やセリカ属ビロウドコガネ、面白そうなゴミムシ等を摘まみます。

生展翅が出来ないので蛾はセーブして採りますがカトカラ(シタバガ類)は狙いのヨシノキシタバ
には未だ早く1♂が来たのみ。ブナ帯なのに何故かアミメキシタバが5頭位来て驚きました。
他はビカビカのエゾシロシタバが少々、ゴマシオはかなり来ていました。

熊本市内の最高気温は37℃もあったのに標高1500メートル以上の此処での夜は寒く、車に退避
しながらテキトーに幕を見ていましたが、熊本県では珍種のキュウシュウシナ、フチグロヤツボシ
(いずれも♂)の両カミキリが来て嬉しい夜となりました。ただ完品なるも時期遅く採れた♂なので
共にエリトラがスレスレなのは仕方ないでしょう。九州産はこれも珍のコメツキガタナガクチキも
来てくれました。

翌朝はノリウツギの花に虫が集まる前にゆっくりフィット類の確認を行います。
良いものでは気の早いクロセダカコブ、コメツキガタナガクチキ、ダンダラコメツキ、オオキノコ、
そしてこれも気の早いキュウシュウオニクワガタ等が入っていました。

周辺にはヤナギが多くクロコムラサキも生息しています。以前よりは随分減ったものの今回は
ゆっくり確認出来たのでそれなりの個体数が見られ安心しました。数年後には地元に戻る予定と
しており、採集・飼育の優先種と位置付けています。
此処のは100パーがクロコムラサキ。リリースするので僕のキライな手掴み写真です。

巨大な九州産夏型ミヤマカラスアゲハ♂を捕獲。自らもアキリデス命、特に九州~屋久島の
ミヤマカラスは大人気なのでこれも地元回帰時には各産地・季節型の飼育を敢行します。
カラスザンショウやハマセンダン、エノキ等の植樹を植栽出来る「庭」も用意しないとなあ。
じゃあ、家もか? ハードル高過ぎ@@


 
そして陽が昇り気温が上がってからのノリウツギ花掬い。
これが全然ダメ(泣)。

かつてより花の分量は増えているくらい掬い甲斐があったものの良いカミキリ・甲虫は全く入らず。
全くの見掛け倒し。
ヨツスジハナ九州・四国亜種が多いくらいで後はタテジマハナ、ヒゲジロハナ、ミヤマクロハナ、
そしてトゲヒゲトラが少々・・・
本州以北の虫屋さんにはとても信じられないド貧果でしょうが、実は九州ではこうした事態が
珍しくありません。僕も関東甲信地方などでかつては何度も体験しましたが、場所によっては
パキタがたくさん、フタコブルリハナやイガブチ、オオヨツ、ルリハナ等の楽しいハナカミキリは
当然、多くのホソハナ類やピドニア類も当たり前、といった光景など九州では別世界なのです。
そう言えば今回ピドニアでさえ1頭も居なかった・・・

一つだけ良かったカンボウトラ♀。九州山地でもパキタの採れている宮崎県側では比較的得易い
ようですが熊本県側では珍品。特大個体で唯一嬉しかったもの。
  

そんなこんなで灯火関係はまあまあ、ノリウツギは撃沈という夏の九州山地マイポイント採集を
終えました。

次は今月下旬(月齢が良くなる頃)の「晩夏」における九州山地のナイター採集に赴く予定です。

もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。

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