ベニハンノキカミキリの材採集、阿蘇山噴火の影響無し(2022.3.19)
郷里:熊本を代表する虫の一つ、ベニハンノキカミキリの材採集に阿蘇方面へ行って来ました。
去年までの約4年間を奄美大島で暮らしており、材採集のシーズンに郷里に戻るチャンスが
無かったので相当久し振りのベニハン材採集となります。
ベニハンノキと言っても亜種では無く俗称で、タダハンノキの地方型ということになります。
伊豆大島の「本来の赤い筋が白くなり、エリトラに微毛が出る」タイプのハンノキは恐らく亜種へ
返り咲くのではないかと思っていますが、ベニ型は東北地方の一部等でも出るようなのでこれからも
原亜種の一形態と見なされるでしょう。とは言っても通常型とはほぼ区別可能なので僕は今後も
ベニハンノキという俗称で呼びたいと思います。
冬の阿蘇連山を見るのは久し振りだなあ。
特に冬の阿蘇の風景は、草原の山であることがよく分かるたたずまいを見せていますね。
早春には所々野焼きが行われることから、近付くと黒い地面が露出している部分も散見出来ます。
とりあえず先の阿蘇高岳(活火山)の噴火の様子を見るために阿蘇山を登ってみます。
すると思ったほど火山灰は下には降り注がなかったようで、ほぼ火口近くまでは行けるようになって
いるようでした(火口1㎞圏内の規制中)。
写真の中央が噴火小康状態中の火山、周りに灰色の火山灰が降り積もっているのが分かります。
標識のある火口近くの施設への道路は無事だったようですね。一見すると黒っぽい雪が降り積もって
いるようにも見えますが、全て「灰」です^^
この左にかつてダイコクコガネが多産した大放牧場が在りますが、口蹄疫や酪農家の高齢化等で
今は牛の放牧は見られません。
もっとも今はダイコクコガネは採集禁止種になっていますのでここまで来ても仕方がないですが。
さて、ベニハンノキの材採集に適したマイポイントへ行きましょうか。
此処は火山灰の被害は無く、灰を被りながらの採集は嫌だなあという心配は杞憂となりました。
未だ学生の頃でしたが、鹿児島市内の某山へ当時は名前が付いていなかったサツマスギノアカネトラを
スギ落ち枝から割り出そうと出向いたことがあります。その年は桜島の火山活動が凄く、全山が
火山灰に覆われており絶句しましたが来たからにはと灰の中から落ち枝を引っ張り出し、頭から灰を
被りながらやっと数頭を割り出したものです。その二の舞にならず済みました。
もっとも此処が灰だらけだったら、ヘタレの今は直ぐに退散したと思いますが^^
ホストのヤシャブシを吟味すると今年羽脱する終齢幼虫の食痕はポツポツ見つかりました。確認のため
幾つか材を割ってみると時期的に既に蛹室を作っており前蛹間近という感じです。
来年終齢となる若齢幼虫の食痕も同等に在り、順調に行けば来冬もそこそこ楽しめそうです。
ベニハンノキは地域限定型であるのと同時に美しく、全国的に人気が高いです。そのため標本が幾ら
あっても何時の間にか在庫が底を尽きます。
断捨離の観点から不必要な虫は抱えないようにしていますが、一方で交換を始めようとしていることから
それに使えるこうした虫は採り続けることになります。
いずれ当ブログ上で交換のお相手を募ることにしていますので、制約等は在りますが当方の採る虫に
興味をお持ちの方はご留意をお願いします。
もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。