オサムシパックは威力バツグン(2012.12.14)
オサムシ屋さんは勿論、ほとんどの甲虫屋さんはご存じのオサムシパック。
ご存じ無い初心者の虫屋さんもおられると思うので紹介します^^
これからのオサ掘りシーズン、崖や朽木、土中から掘り出したオサムシの一部をはじめ、体表に
細かい泥等の汚れが付着し易い甲虫(および体の堅いタイプの虫)に応用もできますよ^^
オサムシ類の場合、アオオサ系やオオオサ系、カタビロオサ系など、いわゆる体表がツルツルの
タイプにはまず必要無い手法ですが、エリトラや前胸の全面に細かいミゾや凸凹、隆起が散布される
グループには効果テキメンです^^
その代表がクロナガオサ系やマイマイカブリ系です。
これは熊本の山中で採ったキュウシュウクロナガオサ。
朽木の中から掘り出したものですが、体表には細かい汚れが全体的に付着しています。
毒ビンに入れて殺虫後、体表が乾いてくると体が泥っぽくなってきます。
この汚れは水中でジャブジャブ洗ってもほとんど取れません@@
そこで登場するのが水性の木工用ボンド。
これを汚れたオサムシのエリトラ、前胸、頭部にかけて薄く塗り伸ばします。
いわゆる化粧の顔パックと同じ原理ですね^^
塗った直後は真っ白(ボンドの色)の状態ですが、乾いてくると半透明に透けてきます。
そうなったら準備OK。
端っこからゆっくりと、固まったボンドの薄皮を破れないように剥がしていくと・・・
まあ、キレイ!
頑固に付着していた泥や汚れが一気に取れてしまいます^^
剥がした後の体表面の美しさが分かるでしょうか。
逆にボンドの薄皮が黒っぽく汚れているのも分かりますね。
ボンドが体表の汚れを付着させ、見事に取り去ってくれたわけです。
ホント、威力は抜群です^^
美しい標本が出来ますから、面倒がらずに是非試してみてくださいね。
ただ、パックを剥がす際、体表の細かい微毛まで取り去ってしまうため、それを気にする方は
選択的に行った方が良いでしょう。
オサムシは特に気にする必要はありませんが、微毛が体表の模様を作りだしている類いの甲虫も
一部には居ますから。
これからの厳冬期、やれることが限られる中でオサ掘りは代表的な採集法となります。
汚れたマイマイ等が出てきたら、是非美しい姿で標本にしてやって下さいね^^
もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。