夏の草原の蝶、ヒメシロチョウ、ツマグロキチョウ(2022.8.14)
夏の阿蘇の草原に蝶を採りに行って来ました。ターゲットはヒメシロチョウおよびツマグロキチョウです。
阿蘇とは言っても東部の端、「奥阿蘇」と呼ばれる祖母山に近い地域で、熊本でも大分や宮崎との県境に
近くとても行き難い地域です。
ヒメシロはホストのツルフジバカマの分布に制限を受けており、阿蘇草原の中・東部から奥阿蘇にかけて
生息が知られます。草原王国と言っても何処にでも見られるわけではないんですね。東に行くほど分布は
濃くなるというイメージです。
実は僕の母方の里が奥阿蘇のさらに奥(祖母山にかなり近い所)に在るので、小さい頃からこの地には
馴染みが在りました。その頃と比べると虫はとても少なくなりましたが、上記2種の蝶は相変わらず其処に
居て、童心に戻って楽しく蝶掬いを楽しみました^^
阿蘇のヒメシロはまだまだ多いと言われますが相当減りましたね。ツルフジバカマも殆ど目に付きません。
広島のように絶滅することはまず無いと思いますが、既に目前に幾つもが飛んでいる状況ではないので
留意はしておく必要があるでしょう。分布が限られるツマグロも此処では存分に数を拝めて幸せでした^^
そうそう、50年近く前はこの斜面の奥にピーマン畑があり、親戚の農家のピーマン収穫を手伝いながら
当時は結構居たゴマシジミと戯れたものです。現在は誰も農業を営む者が居ないので此処も耕作放棄地
となり、草に阻まれ立ち入ることも出来ません(下の写真)。もっともワレモコウは既に無く、一帯から
ゴマも消えて久しいです・・・
ゴマとは違い消えてはいませんが、ヒョウモン類、スジグロ・ヘリグロ・ミヤマのチャバネセセリに
ギンイチモンジセセリ、キアゲハやカラスアゲハと言った草原に多い蝶達も相当に減り、今日はほぼ
目に付きませんでした。
蝶が居ない、少ない草原。50年前を知る人間にとっては一抹の寂しさを感じる一時ではありましたね。
さて、今回ヒメシロは♂♀共に新鮮で採集適期、ツマグロは新鮮な♂が殆どというタイミングでした。
秋に時間が在ればヒメシロの第4化(最終化)、さらにツマグロの秋型を採りに再来しようと思います。
そして草原の一画には風物詩の牛が草をはむ風景が在ります。秋には糞虫採りに近場を訪れるので、
今秋狙う予定のシルビアシジミと共にこれらのついで採集は可能でしょう。
高原が涼しくなるまであと半月~1カ月。秋の採集も楽しみですね^^
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