与那国島のヤギホソコバネオオハナノミ(2023.5.8)
採集に没頭しない「楽チン八重山ツアー」から地元に戻り数日が経ちます。
最後に訪れた与那国島の終盤に採った甲虫の展足が完了したので、注目すべき1種について報告
しておきたいと思います。
数十年振りに採った与那国のヤギホソコバネオオハナノミ♀です。
採集したのは与那国島での最後の採集日。曇天かつ強風の吹く最悪の採集条件でしたが、林縁の
枯枝を叩いたところ本種が落ち、同時に羽ばたいて飛び去ろうとしたので慌てて掴み採りました。
あれだけの強風でネットに直接落ちたのも奇跡ですが、風に飛ばされなかったのも幸運でした^^
写真のとおり不完品ですが、採集時に破損させてしまったものと思います。
本種を初めて採ったのは今から30~35年程前の初回か二回目のGWの与那国島でのことでした。
何を叩いたのか今では忘却の彼方ですが、初めて見る変わった虫が一画のビーティングで合計7~8頭
(よく覚えていない)落ちました。
とても素早く半数は飛んだり走り去りましたが、残りを押さえ摘まみ採りなんとか毒瓶に放り込みました。
小さく素早い上にとても脆いようで、慌てて処理したためほぼ全てが不完品となってしまいました。
捕獲したのは確か4頭、小型で全体に黒色のもの及び大型で頭部が橙色のものがあるのでそれぞれ
♂♀と判断出来ました。現在は1ペアのみ残っています。
その後何度も与那国を訪れましたが、再度本種と巡り合うことはありませんでした。
ホソコバネオオハナノミ類はカミキリ(等)の幼虫に寄生することが知られ、極めて稀なグループです。
10年程前に沖縄本島南部の小さな付属島で別種が大量発生したケースが発表されましたが、与那国で
僕が以前に遭遇したのも同じような場面だったのかもしれません。
僕は石垣島でこの仲間の生態の一部を掴んでいます。
(参考)ヤエヤマフトカミキリの幼虫に寄生するホソコバネオオハナノミ
上記の石垣産や沖縄、宮古に居るものとは異なり、ヤギは形態がかなり異なり1cm弱と小型です。
生態も一部異なると思いますが稀であることや他の甲虫の幼生に寄生することは同じでしょう。
また昨年でしたか西表島でも発見されたようなので石垣島にも居るかもしれません。
与那国のヤギに2回遭遇したり、石垣のホソコバネオオハナノミの幼生期を見たり、僕は当グループに
かなり縁がありそうです。とりあえず次は沖縄あたりの奴をやってみましょう^^
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