マツダクスベニカミキリ、十分なコレクション確保が現実に(2024.4.28) | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

マツダクスベニカミキリ、十分なコレクション確保が現実に(2024.4.28)

当ブログで先日、春の石垣島における飛翔虫の一つ、マツダクスベニカミキリの確保にもメドが
立ちそうとの旨を書きました。
それが現実となったので詳細をお知らせしたいと思います。

石垣島における春のカミキリのうち、ヤエヤマヒオドシハナ(パラナスピア)とマツダクスベニの
2種類の採集は、実質的に飛翔中をネットするしかありません。後者はヤンバルアワブキの花に
訪花しているところを採る方法もありますが、現在の石垣の産地ではそれに適した花が在りません。
(在ったとしても採集数はたいして見込めない)

飛翔中を採る、と言ってもマツダクスベニは滅多に空間に現れてくれず、パラナスピアの方が遥かに
多いし、なんなら僕の場合、極めて採り難いはずのパラナスピア♀を生涯採集数に於いて本種よりも
採っているほどです。

このように通常ではなかなか得難いマツダクスベニですが、アマミクスベニと同様の材採集を用いると
格段に標本を得易くなります。
それは以前から承知していましたが、ある不都合が払拭出来なかったためこれまで躊躇していました。
それは本土の冬の低温です。

春の八重山で幼虫の入った材を確保しても、それが成虫になるのは1年後の次の春。
1年間も生き永らえさせる必要に併せ、本土の冬をどう越させるかという命題がありました。
恒温器は使っていないし、暖房を入れた部屋で管理するにしても就寝後~明け方は暖房を切るので
相当の低温となります。それに大きな寒暖差を与えることは最も避けるべきとも思えました。
よって本格的な材採集は控えていたんですね。

ところが、上記の心配は杞憂と分かりました。昨春に数本だけ試しにマツダクスベニ幼虫の入った材を
持ち帰っていたのですが、冬場は暖房の無い部屋で管理した材の中で今春見事に成虫が羽化しました。
つまり、本種は少なくても九州低地の屋内であれば冬を越せる耐寒性がある事が判明しました。

今春の八重山・宮古諸島遠征から自宅に帰還後、管理材を割ってみた状態。
見事に2頭が成虫になっていました^^


この他にも色付いた蛹が2頭あり、あと1週間もすれば羽化するでしょう。つまり、死亡させることなく
無事に1年を過ごさせることが出来たことになります。
九州低地とは言え八重山に比べると気温が低いため、成虫の出現が約1カ月遅れたわけですね。

実は奄美大島に在住していた頃に多数の奄美・沖縄産アマミクスベニと共に数頭のマツダクスベニを用い
同様の試みを行ったのですが、前者は勿論マツダも成功しています。
ただ奄美大島に於いてですからね、これはズルであり本土での参考にはなりません。

しかし、今回石垣島のマツダを屋内ではあるものの九州で越冬させることが出来ることを確認出来、
極めて有益でした。マツダが生存出来るなら沖縄・奄美のアマミクスベニも当然可能ということです。
これまで「冬がねえ」とこれらの材採集をためらっていましたが、今後は遠慮なく持ち帰れます。
今春の石垣では昨春の数倍の材を確保したので来春がとても楽しみです^^

寄生や蟻などの天敵により幼虫の大方が死亡することから一気に材を確保出来ないのが難点ですが、
逆にその方がゆっくり楽しめて良いですね。
ここ数年の「春の八重山遊び」ついでの楽しみが出来ました。

これで石垣における「春の飛翔虫」の完全卒業です^^

もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。

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