ススキサビカミキリとウスアヤカミキリを採集時に見分けるコツ(2014.6.21)
ある報文を見ていたら、ススキサビカミキリについて気になる記述があったのでちょっと記事に
してみようと思い立ちました。
曰く、「ススキサビカミキリと、同所的に見られるサキシマウスアヤカミキリとの区別が現場で出来ない
ため、ウスアヤを無駄に多く採る採集者がかなり居る」というもの。
ホントかいな?
僕がこれまで現場で一緒に採集した限りでは、見分けがつかないという人は居なかったぞ。
これがススキサビで・・・
これがウスアヤ。どうやったら間違えられるのか・・・
もし上の二種が同じに見える人が居たら、その人はエグリトラとクロトラを区別できないし、ピドニア
なんか絶対同定出来ないということになるんだけど。
まあそうした意見が出て来るということは、たまにはそんなケースもあるのかな・・・
というわけで、現場で出来る簡単な区別の方法を写真を交えて解説しておきます。
まず、この写真を見て頂きましょう。
左からウスアヤ、ススキサビ、そしてススキサビと同属のコブバネサビです(いずれも♀)。
こうして見ると、確かにススキサビの体型・色彩が醸す雰囲気は同属のコブバネサビよりむしろ他属
であるウスアヤに似ています。
しかし、エリトラ・前胸共に斑紋が異なっているのは明らかです。
エリトラの斑紋に関して言えば、ウスアヤが極めて変異に富むのに対しススキサビはほぼ一定です。
形状にしてもウスアヤは頭部が大きく異形で、エリトラも下膨れ気味。とても酷似しているというレベル
ではありません。
また写真からは分かり難いのですが、ススキサビは体の断面がほぼ円状で、ウスアヤは横長の
楕円状です。
よって採集現場ではススキサビの方が背が高く見えますし、ウスアヤは平べったく見えます。
さらに触角も大きな区別点となり、♂♀共にウスアヤの方がかなり長いです。
念のため♂♀共にススキサビとウスアヤの標本写真を載せておきますが、体長と比較してみて下さい
(上が♂、下が♀)。
そして、この二種を考える際は「擬死」の概念を避けては通れません。
両種共に擬死体制を好んで(?)取るためで、ススキサビの場合はほぼ半数、ウスアヤは8割以上が
足を縮めてジッと動きを止めた形で落ちてきます。
実はこの擬死態勢が最も両種を見分け易いのです。
すなわち、ススキサビが必ず横倒しになるのに対し、ウスアヤはうつ伏せ(通常態勢)もしくは仰向けと
なるのです。
またススキサビが前脚を内側に折り込むのに対し、ウスアヤは天を仰ぐように前方へ伸ばします。
さらなる違いは、ススキサビは各脚の折り曲げ方が緩いのに対し、ウスアヤは体にピッタリと規則正しく
引き寄せてまるで蛹のような形を醸します。
百聞は一見にしかず。
これがススキサビの擬死態勢。
横倒しになっていますし、かつ前脚は内側に折りたたんでいます。
そして下のうつ伏せあるいは仰向けがウスアヤの擬死態勢です。
ちょうど交尾したペアが落ちてきたので1枚の説明写真で済みました^^
ダメ押し。
擬死状態のススキサビを仰向けにしてウスアヤと並べてみました。
ススキサビの腹端にはこのように大きな黒紋があり、ウスアヤの腹面とは全く異なります。
正直、見分け方としてはコレだけを知っていればよく、採集地で迷ったらひっくり返してお尻を確認
するだけで良いということになります。
ついでに言うと、写真から分かるようにススキサビの擬死の脚の折りたたみ方は極めて緩く適当で
あるのが分かると思います。
しかもイヤイヤこの姿勢を取っているようで、指で突くと直ぐにスタコラと走り始めます。
一方ウスアヤの擬死はとても頑固で、指で突こうが摘もうがかなり長い時間この態勢を取り続けます。
いかがでしょうか。
以上を総合すれば、現場で両種がどうしても見分けられないという方でも今後はきっと大丈夫です^^
もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。








