キュウシュウハネナシサビカミキリ、7月の屋久島の意外種(2016.8.9)
この7月の屋久島で意外だったカミキリの一つがキュウシュウハネナシサビカミキリ。
殆どの方には馴染みの薄い種類とも思うのでちょっと取り上げます。
今年の屋久島は7月中旬から参戦。
いつもこの時期の平野部は既に夏枯れが進み、食指の動く種類はことごとく発生が終わっていたり
末期でスレスレ、ボロボロ・・・
暑い中で必死でビーティングしても良い思いはほぼ出来ないのが常です。
林縁にちょっと良さそうなソダがあったので、ほとんど気乗りはしませんでしたが他にやることも
無かったのでネットも持たず車を降りてみました。
どれどれ、どうせ何も居ないだろうて。
一応ぐるーっとルッキングしてみると・・・
あれ、なんで屋久島にクワサビが居るの?
(ボリューム感のある形態、大きな白紋にそう思った)
上から良く見ると独特の下膨れ体形。これってPseudale亜属じゃん・・・
そうか、キュウシュウハネナシサビだ!
(上部からの写真は撮り忘れました。ごめんなさい。)
屋久島産の本種は実は僕にとっても馴染みは薄く、当個体以外では30年ほど前のGWに
1♂しか採ったことがありません(当時はオキナワハネナシサビか、とされていた)。
現在は三島、トカラ列島のものと同種になっていますが、この仲間は島毎に変異を見せるので
もう少し細分化しても良いのかもしれませんね。
ところで屋久島産のキュウシュウハネナシサビってあまりピンと来ないんですが、時期には
多いのかしら。
少なくともここ何年も通っている7月の屋久島では初めて採ったし、他の採集者が採ったという
話も聞きません。大きな♀でしたが、ほぼスレも無くそうした意味でもちょっと驚き。
個人的には意外だったのでネタにしてみました。
なお、九州高地(パキタが採れたともされるブナ、モミ・ツガ帯@@)で得られた本種というのは
なんかマユツバですね^^(海浜性のものが紛れ込んだのでなければ、たぶん別種でしょう)
もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。