細木で成長する熊本産極小「白」イタヤカミキリ(2012.11.20)
昔、イタヤカミキリはヤナギ類の生木をホストとすると知ってはいたものの、探してもなかなか見つからず
局地的なカミキリという意識を持っていました。
僕は大学時代、神奈川県相模原市で下宿していたのですが、その頃原付バイクでよく採集に通った
近くの多摩丘陵では多摩ニュータウンが大規模に建設されていました。
今では入居第一世代の高齢化が問題になっていると聞きます。時代の流れを感じますねえ。
ある日そこで、ミドリシジミが発生していたケヤマハンノキの樹幹を這っていたイタヤカミキリを
採りましたが、これが本種との最初の出会いでした。
その場所では何故かケヤマハンノキで発生しており、幼木の細枝にはハンノキカミキリの幼虫が
穿孔していました。
他にもオオムラサキなど関東の平地性昆虫が多かったその場所も、その後の開発で現在は自然が
すっかり失われています。大事な思い出が一つ無くなったような感じで残念です・・・
さて、関東ではあまり縁がなかったカミキリでしたが、Uターンした熊本では採集ポイントを抑えた
こともあり、結構身近な種類となっています^^
ただ阿蘇周辺を外すと極めて局地的となり、一定の地理的要因が生息にかなり影響する種類である
ことは間違いないようです。
そして全国のカミキリ屋さんはご存じのとおり、九州の本種はエリトラの褐色帯が純白に置き換わった
大変美しい個体群です^^
ビーティングネットに落ちた発生初期の全くスレが無い個体(♂)です。
全身茶色のノーマル型しか見たことのない方にはちょっとした驚きではないでしょうか^^
この「白」イタヤ、本州産と比較すると全体的にやや小型なのですが、以前当ブログでも紹介した
ように、僕はさらに小型化する個体群の居る一画を見つけています^^
そこでの本種は樹高が1メートルにも満たない細いヤナギで発生しており、これまでに得た中で
最も小さい♂は体長が15ミリにも達しません@@
直径が1~1.5センチ前後の細木の幹で生育するので、全ての個体が一様に小さいんですね。
今年4月下旬に採った頃のそのヤナギ生木です。
若齢幼虫が盛んに木屑や糞を放出していますね。
繰り返しますが、これらは「枝」ではなく、あくまでも「幹」です。
メジャーが無いのでちょっと分かり難いのですが、若齢幼虫の食痕の大きさから勘案すると実に細い
のがお分かりになると思います^^
来年に親になる若齢幼虫です。
残念ながらそれまでには木が枯れてしまうので、いずれは成長出来なくなります。
人工飼料で飼ってみようと思っていましたが、今年は間に合いませんでした(泣)。
上の写真は人工飼育下の様子なので、実際の食痕の状態とは異なります。
野外では次のような木屑を出しています。
あと半月もすると羽化してくる蛹です。
いかに寄生木が細いか分かるでしょ^^
すなわち、その時期に材を採ると、今年羽脱する蛹と来年親になる若齢幼虫が同居していることに
なります。
脱出口を開けて羽脱しようとしている新成虫です。
やはりホストの細さが際立っていますね^^
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