奄美産ツマベニチョウ飼育中、もとい釣り堀作戦実施中(2021.10.16)
現在ツマベニチョウの最終化、あるいは来春の第一化になる幼虫を飼育しています。
今秋はツマベニチョウの発生が良いようで数本のギョボクの葉に幼虫が結構見られます。
奄美最後の秋の飼育はツマベニで閉めることになりそうです。
下の写真は6月に採った夏型。とても大きく、やはり♀は特に良いですね。
飼育中の秋型は一回り小型になり、♀はもっと黒く、しかも黄色い色調が出るタイプもあり更にイイよ^^
ほかにもアマミカラスアゲハやアカボシゴマダラ、ルリタテハなどの採卵にも取り掛かって
いましたが、ナンモカンモやるのは土台無理だし、特に大量に餌を食い込むこれらの大型種の
飼育はジゴクの一言。引っ越しの直前までこれらに忙殺されるわけにもいきませんし。
なによりカラスアゲハ類は将来の「アキリデス・イヤー」(これはゼフ・イヤーと同様何年も
続くと思われる)に必ずやるし、アカボシ飼育に至っては元々庭にエノキ類が無ければまあ無理。
しかも越冬幼虫を作る作業などやってられないという訳でこれも却下となりました。
ツマベニも大食漢で袋掛け出来るギョボクも無いのは同様なのですが、今年は発生量が多いこと、
逆にカメムシやハチ類等の天敵が少ないことから前蛹・蛹になったところを野外から狙い採って
来るという至ってラクな戦法を取ることにした次第。釣り堀と言うか養殖場感覚ですな^^
勿論天敵が全く居ないわけではないので回収率はかなり落ちます。それでも個体数の多い今秋は
マイコレ分程度は採れます^^
なお室内飼育ではギョボクの葉は萎れ・腐敗が極度に早く、幼虫がそれを直ぐ感知していわゆる
「諦め蛹化」をしてしまい大きな蛹が得られません。蛹化直前のド終齢でなければ室内での飼育は
止めた方が良いですね。
ギョボクにはある種の蛾の幼虫が大量に付いて殆どの葉がダメージを受けたものや、落葉前で葉が
茶枯れかけた木もありますが、そうした中でもこのようにたくましく幼虫は育っています。
良い木には終齢幼虫が幾つも付いている場合があり、こうした場面を見るとウハウハですな^^
ちゃんと生き延びて蛹になってよ。
蛹化には直射日光が当たらない場所を好むようで、そうした所で蛹と前蛹を見つけました。
暗く逆光なので上手く映りませんが赤丸の中に注目。もちろん両者とも即回収^^
未だ動いている幼虫には手を出しませんが、前蛹はこの様に自宅にて容器の壁面に固定して
蛹化を待ちます。これで野外品と同等の大きな蛹が手に入ります^^
昨年同様に蛹化場面にも遭遇出来ました。
嬉しいことに初の黄色型蛹にも出会えました^^
これまでに幾つか見つけていますが少ないケースですね。
そして羽化の兆候が出てきたものも現れています。
これから羽化ラッシュが続き、最後の奄美での展翅が待っています。
標本の乗った展翅板を車に乗せて引っ越しするのはちょっとメンドイんですが、「最終化」という
高付加価値の美・ツマベニのためにはエンヤコラです。
蝶の標本は甲虫他よりも僕の幸福度を上げてくれます。
ツマベニチョウは特に好きな蝶であるだけに、一般には入手し難い最終化および第一化となる蛹を
この際たくさん得たいと思います^^
もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。